内外から届く/JIAM2016OSAKA期待の声
2016年04月13日 (水曜日)
国内からの声
〈まとめ仕事を自動で/日本アパレルソーイング工業組合連合会〉
国内縫製工場では人手不足、後継者不在は切実な問題となっている。「円安による縫製の国内回帰は部分的にはあるが、結局、服を作るのは人。働き手がいなければ事業は継続できない」と岩﨑靖璋会長は指摘する。
日本の縫製工場における外国人実習生の重要性は、ミシンによる縫製のほかに手作業でしかできない部分をカバーしてくれるところにある。こうした作業を「まとめ仕事」と呼び、スナップボタンやベルトループの縫い付け、まつり縫いなどがある。
岩﨑会長は「こうしたまとめ仕事を自動でできる縫製機械が欲しい。こうした機械があれば人手不足が緩和され、人件費の削減にもつながる」という。
〈「省力化」大きな課題/菅公学生服〉
菅公学生服(岡山市)は国内に倉敷工場(岡山県倉敷市)、米子工場(鳥取県米子市)、都城工場(宮崎県都城市)、志布志工場(鹿児島県志布志市)の4つの基幹工場に衛星工場も含め、合わせて18もの工場を抱える。生産に携わる従業員は約2000人を数える。
藤田敏男取締役生産本部長は「毎年一定数の定年退職があるので、新しい人材を必ず入れなければいけない。しかし、その人員の確保が難しくなってきた」と話す。それだけに「省力化」「脱技能化」を大きな課題に挙げる。
藤田取締役はミシンを含め「機械自体の自動化は進んでいる」と指摘する。しかし、ミシンからミシンへとつなぐ工程の部分は「まだまだ自動化できていない」と言う。
CAM(自動裁断機)でもパーツをピックアップする作業など「意外と人が張り付いていなければならない工程が多い」だけに、そのような周辺作業の自動化が進めば、大きな省力化につながる。
〈ミシン糸需要拡大の好機/日本縫糸工業協会〉
藤井一郎会長は「JIAM展は縫製機器だけでなく、ミシン糸の需要拡大のチャンスにもなる」と期待を寄せる。
縫製拠点のアセアン地域へのシフトによって中国縫製工場間で淘汰が始まった。藤井会長は「これから中国では質の高い技術を持つ縫製工場が生き残るだろう。今後は、高性能ミシンのニーズが高まる」とみる。それだけにJIAMは「優れたミシンを海外に向けて国内メーカーがアピールする絶好の機会」という。加えて「中国では人件費の上昇や人手不足で、これまで人海戦術でこなしてきた手作業の工程や複数の工程を自動で縫い上げる自動機の需要が高まっている」と指摘する。
中国の縫製工場がより高性能のミシンを導入して質の高い仕事する必要に迫られ、使われるミシンの性能が上がれば相応の良質なミシン糸が必要になり、そこに国内のミシン糸メーカーの商機があるという。
〈発色性の改良など期待/堀江織物〉
旗幕業界ではいち早くデジタル化が進み、顧客からの発注も小ロットから大量ロットまで「デジタルで」ということが少なくない。のぼり旗や横断幕などの旗や幕を印刷・製造する堀江織物(愛知県一宮市)は、社内に印刷から縫製・加工までの一貫体制を持つことを強みとする。
堀江賢司取締役マーケティング部長は後加工についても少量から大ロットまで適量生産で対応できる加工ラインの必要性を感じている。また受注から納品までを自動化する取り組みが必要」と語る。
JIAMでは「これまで堅ろう度や発色性が劣っていたものが改良された新しいプリンターや、自分の狭い視野では考えられない後加工の機械などに出会えることを期待している」という。
海外からの声
〈薄地を考慮した結束機/三潤服装集団〉
対日アパレル生産を主要業務とし、軽衣料を中心に日系商社経由で大手SPAや百貨店ブランド向けの生産を請け負う三潤服装集団。自社ブランドの高級レディース「SUNVIEW尚約」とレディースゴルフウエアブランド「SVGb尚約」も展開する。
景旭東副総経理は「わたしたちの主力商品は、レディースファッションで、多品種かつシフォンなどの薄い生地を使った縫製が全体の4割を占める」と説明する。そのため「(1)薄い生地を考慮した結束機(2)高品質で高効率を実現した自動化、半自動化設備(3)多機能設備(4)ワークホルダー(サンプル固定冶具)などの補助工具――などで新しい提案がされること」を期待する。
同時に「海外向けの大ロット縫製向けの自動化設備や、コストパフォーマンスが高く、環境にも配慮して生産した生地向けの縫製機械にも関心がある」と言う。
〈いい機械あれば購入も/南通東潤集団〉
南通東潤集団は、対日OEMを主力事業とする。中国の江蘇省南通市と安徽省霊璧市、カンボジアに自社工場があるほか、中国各地とミャンマーに協力工場を持つ。主要生産品はダウンウエアで、近年アセアン縫製で軽衣料を増やしている。
JIAMへの来場を予定する劉継東董事長は、「我々は、日本製の縫製機械、ミシンにはさらなる自動化を期待している。設備投資を抑えるためにも、価格はそれほど高くないことを期待する」。「今回のJIAMでは、新型の多機能、価格優位性のある製品を見たい。品質がよく、価格競争力があり、操作が容易な製品があれば購入したいと考えている」と新技術や新サービス導入への意欲は高い。
〈見たいスマート縫製機械/江蘇意烽揚貿易〉
江蘇意烽揚貿易は、中国工場の「専門化」を高めることでアセアンには進出せず、中国生産単独で生き残ることを模索している。南京の自社工場では、日本式の生産管理を採用し、ウインタースポーツ用途の目張り加工衣料とダウンウエアに特化し生産している。ウインタースポーツウエアに特化しているのは防水、保湿、堅ろう性が求められ、難易度が高いため、極端な価格競争を避けられるからだ。
許峰総経理は「日本の縫製機械の優れている点は、高性能でかつ性能が安定している点にある。価格がとても高いのが難点だ。価格が下がるなら、あるいはリースが使えるなら、中国の縫製工場にもっと受け入れられるのではないかと思う」と言う。「もしJIAMに行けるなら、最新の機械を見たい。なかでも大幅に省人化できる最新の“スマート縫製機械”があったらぜひ見てみたい」と期待する。




