「AFF・大阪2016」開幕/中国企業もアセアン活用/高品質・低価格アピール

2016年04月13日 (水曜日)

 国内最大級の繊維・アパレルOEM/ODM展示会「AFF・大阪2016」(主催=日中経済貿易センター)が12日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開幕した。1階から3階まで6000平方㍍の会場で衣料品、服飾品、素材メーカーや商社など計314社がブースを構え、それぞれの強みを熱烈にアピール。会場では初日から商談する姿が多く、活気であふれていた。会期は14日まで。

 「こんにちは!」「いっらっしゃいませ」――。会場で所狭しとブースが軒を連ねる小路を歩くと右から左から声がかかる。出展企業各社、1件でも新たな取引先を見つけようと自社の売り込みに躍起になっている。

 日本語が堪能な担当者を置くブースも多い。各社で素材の高機能化、縫製の高度化などで商材のレベルアップが見られたことに加え、ブースの担当者が笑顔で来場者を迎えるに姿に“接客”を重視する意識を感じた。

 中国企業各社が前のめりになって自社をアピールする背景には中国の繊維企業間の競争激化がある。近年、中国繊維企業はアセアン勢の台頭、中国国内工場における人材難、人件費高騰といった様々な課題を抱えており、縫製業ではすでに淘汰が始まっているとも言われる。さらに日本向けビジネスで円安元高が定着しつつあり、顧客獲得のためには接客までブラッシュアップしようというのは自然な流れとも見える。

 今回展の出展者は売り上げ規模が1000万ドル以上と中国繊維企業のなかでは比較的規模が大きい企業が多いこと、対日ビジネス経験が長いこと、加えてアセアン地域に縫製拠点を構築していることなどが挙げられる。

 そうしたなか各社がどのように低価格、高品質を両立させるかを競う合うように披露した。その戦略の一つとして目立ったのが中国で生地生産したあと、アセアンで縫製し、そこから関税無しで日本市場に販売するという生産オペレーションだ。

 3階の一画に設けられた「東南アジア工場」エリアに出展した企業は中国での品質の高い生地をアセアン諸国で縫製することで、低価格と高品質の両立をアピールした。

 ニット製品を主力とするウェルピュートLPBマニュファクチャリング(ラオス)は生地にイタリア、中国産品を使い、ラオス縫製で価格競争力を高める。ビーズ刺繍やラメ糸を使った装飾性の高いレディースセーターが注目された。

 初出展でユニフォームが主力のチィアホー〈カンボジア〉ガーメントは中国で生地を生産し、カンボジアで組み立てた作業服をアピール。年間売上高は2000万ドルほどで、そのうち日本向けは4割を占める。担当者は「まだ日本での知名度は高くないので、カンボジアの自社生産でコストダウンを図り品質と価格で日本市場を開きたい」と意気込む。