AFF・大阪2016/日本市場開拓に意欲/初出展の中国企業

2016年04月13日 (水曜日)

 AFF・大阪2016があす14日までマイドームおおさか(大阪市中央区)で開かれている。日本向けのビジネスは中国企業にとってコスト上昇など厳しい環境が続いている。同展には厳しい環境下でも日本向けビジネスの拡大を図ろうと初めて出展する企業もある。

 「日本向けのビジネスには安心感がある」と話すのは自社工場製の子供服中心にそろえた南通中橋進出口の侯洪菊さん。同社は欧州向けも取り扱い日本向けは70%程度。中国の人件費上昇を受け、日本向けのビジネスは厳しい環境にあるものの、自社工場による小ロット対応、品質の高さを訴求する。初出展を機に取引先の拡大を目指す。

 同じく初出展の南通紅憲服装も自社工場での小ロット、高品質をアピールし、新規客の獲得を狙う。同社は日本以外に豪州やブラジルにも輸出しているものの、ブース担当者は「信用が高く、代金回収の心配も少ない日本向けで拡大したい」と話す。

 上海新宿商貿も初出展。立体成型インナーをそろえ、新しい客先の獲得を目指す。浙江省の自社工場で商品を生産しており、ブース担当者は「コストは厳しくなっているが、高い品質の商品に対応できることをアピールしたい」との考えだ。

 セーター専門工場を持つ湖州正興進出口は日本向けの割合が東南アジアとの競合などもあり、20%まで低下しているという。今は欧米向けがメーンとなっているものの、日本向けで15年以上の経験と、品質や納期管理の厳格さを武器に新規客先獲得のため、初めて参加した。

〈欒総裁が会場視察〉

 4年ぶりに来日した中国中紡集団の欒日成総裁は12日午前、日中経済貿易センターの村山敦会長、中国駐大阪総領事館の孫淑強領事・経済商務室長らとともにAFF・大阪会場を訪れ、全フロアを回り出展者から商品などの説明を受けた。

 前日に関係者を招き開いた晩餐会で欒総裁は「(前身のCFFから)今回で27回目となる。回を重ねるごとに発展してきた。中紡集団にとって繊維事業は重要な柱の1つ。アジアを代表する展示商談会として、さらに大きく、充実させていきたい」と語った。