シキボウ/植物由来加工を拡充/フッ素フリーの撥水も

2016年04月14日 (木曜日)

 シキボウは、植物由来成分による機能加工や柔軟加工のラインアップを拡充した。ヤシの実成分によるフッ素フリー撥水加工「ヤシパワー」、国産孟宗竹成分による抗菌・消臭加工「竹フレッシュ」、グレープフルーツの種子から抽出した成分を使った抗菌加工「グレフルフレッシュ」、綿実油を使った柔軟加工「メンミーユ」を開発した。

 ヤシパワーは、ヤシの実由来加工成分によってフッ素非使用でも撥水性4級を実現している。近年、世界的に撥水加工でのフッ素フリー化の流れが強まっていることから、注目されそうだ。メンミーユは、綿実油メーカーの岡本製油と共同開発した柔軟加工。竹フレッシュとグレフルフレッシュは、竹やグレープフルーツ種子から抽出した成分を使っていずれも高い抗菌活性値を確認している。

 シキボウでは、これまでラインアップしてきた植物由来加工と合わせて、“ボタニカルパワー”として打ち出す。近年、ファッションやライフスタイル分野でボタニカルのトレンドがあり、こうした流れに対応した素材群として提案を進める。

 これら新素材は、きょう14日までシキボウビル(大阪市中央区)で開催しているシキボウ展示会で披露する。20日から22日まではボーケン東京本部ビル(東京都江東区)で東京展を開催する。

 展示会ではこのほか、吊り干し対応でW&W性3・5級以上を確認した綿100%シャツ地「ノンプレス」とCVCシャツ地「ハイパーセット」、食品汚れに対応した防汚加工「フードフリー」なども新商品として披露した。

 原糸では国内生産する四層構造糸「オリンピアコットン」やボルテックス精紡による抗ピリング糸「ドラゴンツイスト」を打ち出した。ドラゴンツイストは、キュプラ繊維「ベンベルグ」混紡糸や東レの異型断面ポリエステル「ペンタスα」を使ったポリエステル100%糸などを紹介した。

〈ベトナムで原糸から製品まで〉

 展示会ではベトナム生産品も重点的に提案する。特殊精紡交撚による強撚糸やモダール綿混糸など春夏素材のほか、新たに秋冬素材として綿・マイクロアクリル混紡糸「ウインターコットン」もラインアップに加えた。いずれもベトナムで備蓄販売する。

 スポーツ用素材を導入したニット製ユニフォーム「エスクード」も紹介した。ベトナムで生機備蓄しており、ベトナム縫製で製品供給が可能だ。通常の吸汗速乾機能に加え、防縮と透け防止機能を付与したタイプも用意する。