トンボ/次期中計、売上高300億円へ/ヘルスケアでM&Aも視野

2016年04月15日 (金曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は、来期からスタートする3カ年の新中期経営計画について、最終年度の2019年6月期、売上高300億円を想定する。近藤知之社長は「少子化で学生服分野の拡大は難しい」としながらも、市場が拡大基調にある介護ウエアなど「ヘルスケア事業で40~50億円の売り上げ規模にしていきたい」と述べ、M&Aも視野に入れた事業拡大を進める。

 今期はモデルチェンジ校の獲得が「全体の約4割で、例年以上だった」(近藤社長)ことで、3月単月の売上高は過去最高を達成。通期についても学生衣料、スクールスポーツ、ヘルスケアの各事業とも前期より増収となる見通しを示す。

 ただ、13年にスタートした中計では最終年度となる今期、売上高で280億円を計画していたが、消費増税による駆け込み需要の反動で前期は売り上げが落ち込むなど「足踏みした」ことから目標に届かない見通し。計画を改めて見直し、次期中計では売上高300億円を目標に各事業の拡大を目指す。

 今年の創業140周年を記念し、「トンボ140thアニバーサリーマーチャンダイジングプロジェクト」を昨年から展開、スコットランドのロキャロン社とのタータンチェックの開発・英国大使館での発表、学校別注用途へ制服ブランド「イーストボーイ」の展開など、業界やエンドユーザーへの発信を強めてきた。今年は「集大成」と位置づけ、さらに様々な取り組みを計画。とくにスクールスポーツでは20年の東京五輪をにらみ、自社ブランド「ビクトリー」の強化を一段と図る。

 ヘルスケア事業は昨年、介護向けユニフォームの新ブランド「栗原はるみ」を投入するなど、主力の「キラク」を含めた商品群を底上げ。他社の市場参入が多い分野だけに、供給が飽和状態にあることから、今後売上高を現状の17億円(15年6月期)から倍増させるためには「M&Aも想定していく必要がある」との認識を示した。

 新規事業として14年から販売を開始した“老犬介護”に特化した製品ブランド「ウィズ」は、主力の犬の歩行補助ハーネス(胴輪)以外に周辺商品も強化。「インターペット」(ペットフード協会、メサゴ・メッセフランクフルト主催)といった展示会へ出展した際には、海外からの引き合いも多く、近藤社長は「海外への市場開拓もチャレンジしていきたい」と話す。