菅公学生服 社長 尾﨑 茂 氏/先駆者として常にチャレンジ/概念変える制服作りへ

2016年04月26日 (火曜日)

 菅公学生服(岡山市)は、高城工場(宮崎県都城市)の移転増設に伴う新工場の設立や、大手SPAのストライプインターナショナル(岡山市)との「パートナーシップ契約」など新たな動きを活発化している。「学生服業界の先駆者として常にチャレンジしていきたい」と尾﨑茂社長。総合力を前面に出しながらシェア拡大に向けて積極的な姿勢を崩さない。

  ――今春の入学商戦の結果はいかがでしたか。

 学生服のモデルチェンジ(MC)校の獲得は、例年に比べ勝率が良かったことで、前年に比べ少し増えています。2013年に開始した、異業種と連携しながらの総合展「スクールソリューションフェア」で、これまで取引が無かった学校との関係が構築できてきたことに加え、企画力が高まってきたことが成果を出しつつあるようです。

 体育衣料では、「カンコー×ファイテン」といったコンセプトを明確にし、機能性、デザインを高めた商品の販売が伸びています。「アディダス」は、私立学校を中心に市場を着々と広げています。

 企業向けユニフォームは運輸、ビルメンテナンスなど、ターゲットとしている業界を絞り、独自性を出した企画商品が充実してきたことで売り上げを伸ばしています。

  ――7月期決算の見通しについては。

 それぞれの分野が堅調に推移していることから、売上高は、前期比約3%増の340億円の目標はクリアしそうです。

  ――生産面では学生スラックスを生産する高城工場を近隣へ移転増設するため、新工場を設立します。

 生産キャパシティーが足りなくなってきており、将来を見据えた拠点として、今回の設立を決めました。新しい高城工場は投資額が約7億円で、今年4月に着工し、完成は11月を予定、12月に操業を始めます。生産量はスラックスを中心に初年度年間12万8000点で、来年度以降は14万点に増やす予定です。第二期計画として裁断センターの建設も今年8月以降予定しています。

 高城工場は、都城工場を基幹工場とした4つの工場から成る「都城工場グループ」に属していますが、計画が進めば新高城工場が都城工場に次ぐ中心的な工場として役割を担い、裁断については南九州全体の裁断業務を一手に担う計画を構想しています。南九州にある工場のなかで中心的な存在にしていきたいと思っています。

  ――大手SPAのストライプインターナショナルと「パートナーシップ契約」を結びました。

 制服は品質、機能性で先駆けていた一方で、どうしても皆が着るという性質上、デザインや感性の面で一歩も二歩もファッションのトレンドから遅れを取っていました。ただ、指をくわえてトレンドを見ているだけではなく、エッセンスをもっと取り入れるべきです。制服の今一番あるべき姿を追い求めていく最先端の企業であるためにも、これからはストライプインターナショナルのサポートのもと、今までの制服の概念とは異なる制服を作り上げていこうと考えています。

 女子学生服の学校別注として「カンコー アース ミュージック&エコロジー」を展開し、3年間で15校の採用、2億円の売り上げを計画しています。ストライプインターナショナルが展開する自由通学服やその関連商品についても直営店の「カンコーショップ」で販売し、これまで少なかった自由通学服への広がりが期待できます。

 社会貢献活動についても「未来ちずプロジェクト」として、女子生徒向けキャリア教育支援を実施する予定で、今年8月頃に具体的な内容を発表していきます。

  ――「制服が高い」という報道を目にする機会が増えてきました。

 確かに制服そのものもが高いと言うのは事実で、我々は真摯(しんし)に受け止める必要があります。さらに制服を購入する際、カード決済ができないなど旧態以前の商慣習が根強く残っているところもあります。制服全体のイメージを変えていくためにも、サービス面を含め、業界全体で向き合っていかなければいけないでしょうね。

  ――貴社の“ぶれない軸”とは、どのようなところでしょうか。

 昔から新しいことにチャレンジしてきたということがあります。これからも業界の先駆者として、いろいろなことにチャレンジしていきたいと考えています。

 おざき・しげる 1998年尾崎商事(現・菅公学生服)入社。2001年取締役、03年専務。06年から社長。

〈私の好きな1曲/考えに合っている〉

 尾﨑さんが好きな曲に挙げるのはミスターチルドレンの「終わりなき旅」。「なんだか自分の思想に合っている」というのがその理由。歌詞のなかの「胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように いつも今日だって僕らは動いてる」が、「目の前に迫る難題を攻めていけ、チャレンジの連続といった“常に前へ進め”という感じが自分の考えにぴったり」なのだとか。