〈ユニチカ/テラマック堅調に推移/ゼコットをLEDや自動車へ〉

2016年06月15日 (水曜日)

 ユニチカは環境配慮型素材としてPLA(ポリ乳酸)「テラマック」、耐熱ポリアミド樹脂「ゼコット」などのバイオマス素材を展開している。環境への関心が高まるなかで、今後は商品特性を生かしながら展開を広げていく考えだ。

 ポリ乳酸をベースとするバイオマス素材、テラマックは引き続きティーバッグ用、ボディータイル用、水切りネット用などが堅調に推移するほか、不織布関連では防草シートや土壌改質用途などで採用され続けている。

 また、近年は3Dプリンター用フィラメントの市場が拡大するなかで、テラマックは「折れにくい」「造形性に優れる」などの特徴が高い評価を受けている。樹脂ではPLAに各種機能性を付与するマスターバッチ用が堅調だ。

 今後に向けては、テラマックの特徴が生かせる分野を中心に用途開拓を加速する考えだ。生分解性や植物由来といったPLAとしての特徴を訴求するとともに、「ユニチカの技術を生かして他社製にはない特徴を出しながら拡大を狙う」とする。また、日本市場で受け入れられている用途の海外展開についても検討していく。

 ゼコットは、独自の高純度化技術を生かして開発した耐熱ポリアミド樹脂で、バイオマス由来の原料を使いながら高い性能を実現している。(1)非常に高い耐熱性(2)吸水率を大幅に低減(3)高摺動性――などの特徴を有する。

 現在は高い性能を生かして電気・電子機器用途などでの展開が進んでいる。また、LEDや自動車部品向けを中心に提案を進めているところで、現在は「評価は良好であるものの、長期試験や過酷試験の実施に時間を要している」段階。今後、データ収集などをフォローしながら採用件数の増加を目指す。

 年産500トンの中量産設備は順調に稼働しており、今後は販売状況を見ながら、2000~5000トンへの拡大も検討する。