明石SUC/詰め襟服の進化に挑戦/着心地向上、ニット化で

2016年06月22日 (水曜日)

明石SUC/詰め襟服の進化に挑戦/着心地向上、ニット化で

 学生服製造大手の明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)は来入学商戦に向けて、着心地の良さを格段に向上させた新企画「スマートワン」と、5年かけて開発にこぎ着けたニット生地を使った「ラクラン」の詰め襟服2種類を新たに打ち出す。昨年、投入した“上質”感を高めた「ナノウェイブ・プレミアム」に加え、新たな詰め襟服として市場開拓を進める。

 スマートワンは、腕と肩の可動性を考えた3Dパターンを採用、ストレッチ性に優れた素材を使うことで今までに無い軽量感、着心地の良さを追求した全社共通の企画。「昨年、地域を絞って販売していたが、評価が高かった」(江藤貴博スクール営業本部スクール第一販売部長)ことから、全国での販売に乗り出す。

 脇から袖にかけての生地を一体化させることで、腕と肩の可動域が拡大。通常の詰め襟服で手を上げると袖が下に引っ張られ、下に着用しているシャツの袖が見えるが、スマートワンでは手を上げても袖が引っ張れることがないため、シャツ袖がほとんど見えない。

 ラクランは5年前から企画し、黒さや強度の研究を重ねながら「素材の進化に挑戦」(江藤部長)した詰め襟服。着やすさはもちろん、“母親目線”の開発として、イージーケア性を高めた。実際、体操着のように丸めて袋に入れても、シワ回復性が高く、丸洗い洗濯もできる。見た目もこれまでの布帛を使った学生服とほとんど変わらず「詰め襟服の歴史に新たな一歩を踏み出す」商品として、スマートワン、ナノウェイブ・プレミアムとともに詰め襟服の三本柱として市場に広げる。

 女子制服でもスマートワン企画のセーラー服や、鉱物練り込みポリエステル「αオーラ」を使い保温性を高めた制服などを開発。「THD(テ・アッシュ・デ・ラ・メゾン)」ではタカラトミーの着せ替え人形のリカちゃんを、「富士ヨット・コマチ」では自社のオリジナルキャラクター神楽小町を活用した一般ユーザーへのアピールを強める。

 関連商品としては同社として初めてとなるスクールバッグを投入。「デサント」ブランドで、ブラックやネイビーを基調に、ファスナーの色や形状を変えた、9種類のバッグを指定のバッグが無い学校を中心に広げる。