シキボウ/採用進む防汚加工/特定汚れへの対応進める

2016年07月01日 (金曜日)

 シキボウの防汚加工が好評だ。一般的な水性汚れ、油性汚れ、紛体汚れなどへの防汚性だけでなく、化粧品や食品といった特定汚れに対する防汚性を打ち出す戦略が成功している。対応する特定汚れを拡大する素材開発を引き続き進める考えだ。

 衛生に焦点を当てた機能素材に力を入れるシキボウにとって防汚加工は重点素材の一つだ。このため昨年には女性をターゲットとした化粧汚れ防止加工「コスメリリース」を開発。皮脂汚れ対応「デセール」、水性汚れ対応「イージクリン」、汚れ付着防止加工「エクストフリー」、SEK防汚加工マーク取得の「ソイルフリー」と合わせてシキボウ防汚加工シリーズ「汚れま戦隊」として打ち出している。

 特にコスメリリースはレディースブラウス用途で評価が高く、紳士服郊外店が採用を進めた。紳士服郊外店は各社ともレディース分野の拡大・強化を進めており、そうした商品戦略に合致した機能加工として活用が進む。リクルート向けだけでなく、企業で幹部社員や管理職に女性が登用されるケースも増えており、スーツスタイルが増加傾向なのも追い風となる。

 今年も食品汚れに対応した防汚加工「フードフリー」を開発し、4月の展示会で披露したところ、すでに多くの引き合いが寄せられているもようだ。

 展示会では実際に食品汚れを付着させてソイルリリース性の高さを見せるデモンストレーションを実施したが、目で見える機能も評価が高まる理由となっている。

 現在、シキボウには取引先からさまざまな汚れに対応した防汚加工のニーズが寄せられている。このため同社では引き続き対応する特定汚れのバリエーションを広げることで防汚加工の需要掘り起しを進める。