「AFF・名古屋」開幕/小ロット対応アピール/増員工場など87社出展

2016年07月06日 (水曜日)

 「AFF(アジアファッションフェア)・名古屋2016」が5日、名古屋市中小企業振興会館吹上ホール(名古屋市千種区)で開幕した。名古屋でのAFFの開催は、昨年に続いて2回目。日本からの注文が旺盛で従業員を増やしたという中国工場など、対日OEM(相手先ブランドによる生産)を得意とする企業が87社出展している。

 「200人ほどだった従業員を、注文が増えているため360人に増やした」と語るのは、南通市普蘭徳服飾。中国の南通市に工場を持ち、布帛婦人服を1型300枚から生産する。好調の要因は、ポリエステル・ジョーゼットなど他工場が敬遠するような薄手の織物の縫製に定評があるからだという。デザイン機能も持つ。東京と大阪には顧客が多いが、愛知、岐阜には少ないとして名古屋展に初出展した。

 南通吉豊進出口は、江蘇省に従業員40~50人の縫製工場を持ち、エプロンなどを生産している。AFFの東京展に出展したことはあるが、名古屋展は初出展。エプロン、ポンチョ、甚平などの顧客が名古屋に多いというのが出展の理由。円高の追い風もあると、新規顧客獲得に期待する。

 名古屋展初出展の南通傑特曼国際貿易は、南通とバングラデシュの協力工場で生産する婦人シャツをアピールしている。バングラデシュではデニム使いのジャケットなどを1型5000枚以上のロットで生産。一方の南通では、薄手のシャツを1型200枚からでも生産する。

 シルク製ブラウスを前面に出した杭州源順製衣は、従業員60人の工場を杭州に持ち、ミセス向けシャツやブラウスを生産している。岐阜に顧客が多いこともあり、名古屋展には2回連続の出展だ。日本の顧客が「毎年2、3社経営破綻する」こともあり、売上高は減少傾向だが、1型50枚からの小ロット受注機能などを生かし挽回を狙う。東南アジアに縫製拠点を移した顧客の“中国回帰”にも期待する。

〈「困難なときこそ継続」/中紡広告展覧公司・孫氏〉

 AFFを運営する中紡広告展覧公司の孫暁明総経理は、「中国から日本へのアパレル輸出の環境は厳しいが、名古屋でのAFFはまだ2回目でポテンシャルは大きい」と語り、来年は開催時期を2月に変更して、継続する考えを示した。

 孫氏は、中国のコスト高や日本の消費不振などにより、1~5月の対日アパレル輸出が減少していることを挙げながら、「困難なときこそチャレンジ精神を持って続けていくことが大事」と強調した。

 次回は9月28~30日、東京・サンシャインシティ文化会館で「AFF・東京2016」を開くが、8500平方㍍の展示面積が満杯になり、既に出展申し込みを締め切ったという。