ユニフォーム/ニット化で新たな着心地/動きやすく、シワになりにくい

2016年07月07日 (木曜日)

 ユニフォームではポロシャツやコンプレッションなど、ニット使いの商品群は多いが、織物に比べるとアイテムが限られていた。近年、ストレッチや着心地のよさが重視される中、これまで織物が使われていたアイテムにニットを使うことで、新たな付加価値や機能性を高めようとする動きが広がってきた。

 ニットを使う動きは以前からあったが、「耐久性で織物と同じような数値結果が出たとしても、いざ製品に仕上げたときに結局ピリングなどが発生し、品質問題になったことが過去にあった」(商社関係者)。商品化されてもすぐに廃番となるケースが多かった。

 しかし、加工や縫製など技術面の向上で、ユニフォーム分野でもニットを使ったアイテムが増えてきた。中でもオフィスウエアメーカーは今秋冬の新商品として、ニット使いのアイテムが豊富。その先駆けを作ったセロリー(岡山市)は、3年前からニット製のオーバーブラウスやスカートなど打ち出し、「着心地の良さや、シワになりにくいなどイージーケア性が評価されている」(太宰幹夫社長)ことから、販売数量がシリーズ累計30万点を突破するほど好評だ。

 秋冬では昨年発売の「パトリックコックス」ブランドでもニット製ウエアを拡大。展示会では男性社員もニットジャケットを着用し、自社のウエアをアピールする。

 学生服メーカーでは児島(岡山県倉敷市)が、2014年にニット素材を使った詰め襟服を開発。「キッズデザイン賞」を取得し、少しずつ販路を広げている。

 明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、倉敷市)は来入学商戦に向け、5年前から企画し、黒さや強度の研究を重ねてきたニットの詰め襟服「ラクラン」を商品化。着やすさはもちろん、“母親目線”の開発として、イージーケア性が向上、シワ回復性が高く、丸洗い洗濯もできる。見た目も織物とほとんど変わらず「詰め襟服の歴史に新たな一歩を踏み出す商品」(江藤貴博スクール第一販売部長)として、主力商品に育てる。

 スクールスポーツでもほぼ100%ジャージー素材から変化しつつある。トンボ(岡山市)は、スクールスポーツの主力「ビクトリー」で、ウオームアップウエアとしての「ピステスタイル」に着目し、新たな概念のウエア「ピストレ」を広げる。これまでにないニット素材を採用し、通気性があるにもかかわらず防風性能が高く、ジャージーに比べても相当軽い。

 ワークウエアのニット使いについては、ポロシャツやインナーなどを除き、まだまだこれからの段階。今春夏の新商品として、桑和(倉敷市)がストレッチ性の高いニット使いのカーゴパンツを開発した。「はいてもらえるとすごく楽で、リピーターになってもらいやすい」(企画担当者)と、販売店の中には売れ行き好調な店もあると言う。

 今秋冬の新商品としては、「女性目線でこだわった開発を強化している」(伊藤崇行常務)というアイトス(大阪市中央区)が、「アジト」ブランドで前身頃にストレッチ織物、後ろ身頃にニットを使ったハイブリッドスタイルのウエアを開発。オンでもオフでもスタイリッシュに着こなせるデザイン性の高さも魅力だ。このようなワークならではの視点でニットを部分的に使う動きも今後は増えていきそうだ。