「AFF・名古屋」今日閉幕/“MA―1”注目される/東南アジアエリアも人気
2016年07月07日 (木曜日)
「アジアファッションフェア(AFF)・名古屋2016」が今日7日、閉幕する。フライトジャケットの1種である“MA―1”ブームの中で、同ジャケットを出展した企業や、東南アジアに設けた自社工場の機能をアピールする企業などが注目されていた。
フライトジャケットを前面に出したのは、同ジャケット専業という浙江省の嘉興思凱服飾。従業員200人の工場を持ち、主に欧州向けに生産していたが、欧州の景気低迷で受注が減ったため、日本市場の開拓を狙って今回展に出展した。「日本のMA―1ブームを知らずに出展したが、来場者に言われて知った。初日だけで10件の商談ができた」と史云峰総経理は顔をほころばせていた。同社はカンボジアにも600人規模の縫製工場を合弁で設けており、同工場の製品も展示していた。
会場には「東南アジア工場」エリアが設けられており、そこに2社が出展している。その一つ、南通弘業進出口は、1200人規模の工場、ミャンマー江蘇弘業服装実業を10月に稼働させることをアピールしていた。同社は中国に150人、ミャンマーに450人規模の工場を持ち、両工場でカジュアルシャツ、パンツ、コートなどを生産していた。新工場ではこれらに加え、ドレスシャツも生産する計画だと言う。
中国系のミャンマー企業、JOCミャンマー・ガーメンツも同エリアに出展している。同社は2014年4月に稼働開始した工場で、従業員は800人。売上高の半分が日本向けで、残りは欧米向け。日本向けには主にカジュアルシャツ、パンツを生産。ワーキングウエアも供給している。
同社は中国でも日本向けと欧米向けの衣料を生産しているが、今年に入って日本の顧客が、カジュアルシャツ、パンツ、ブルゾンの生産を東南アジアへ移す動きが目立つという。一方で、日本市場の売れ行き不振を受けて、大ロットでの計画生産が難しくなったアイテムの生産を中国へ戻す動きも今年に入って出てきたと指摘した。
中国のセーターメーカーも多数出展している。紡績から編み立てまでの一貫生産工場を持つ浙江省の湖州力創紡織品は、日本からの16秋冬向け発注が減ったとして、17春夏、18秋冬での挽回を狙って出展した。同社は150人規模の紡績工場と、島精機製作所製11台を含む25台の横編み機を備える工場を持ち、1型当たり1000枚からの注文にも対応している。
高級ゾーンの婦人セーターを得意とする江蘇省の南通東祥時装も、日本向けが減少しているとして、新企画で挽回を狙っていた。同社ブースには、日本の繊維商社に長年勤め、独立して昨年企画会社を立ち上げた中国人も詰めていた。企画面で応援している。