可能性秘め2回目開催/「AFF・名古屋」(後)/ポテンシャルは大きい
2016年07月12日 (火曜日)
「AFF」の大阪展や東京展に比べると、名古屋展への出展者はまだ少ない。しかし、数は少なくても、出展者各社の提案内容の質は高かった。今回の名古屋展で、新しい発見をした来場者も少なくなかった。
名古屋の仕入れ先への訪問も兼ねて名古屋展に初来場したという大阪のアパレル企業関係者は、「会社の雰囲気もつかみたかった。いいと思う会社が何社かあった」と言う。「円高なので商談も進めやすい」と笑みを浮かべた。
東京から来たアパレル企業関係者は、AFFの大阪展と東京展にも毎回行っているという。名古屋展への来場は今回が初。「特定の商品を探しにきたわけではない。経営者の人間性を含め、取引相手としてふさわしいと思える会社を見つけるのが目的」だと語っていた。
前回も名古屋展に来たという東京の商社関係者は、「QRの関係で、上海、江蘇省、浙江省地域以外での生産は考えられない。これら地域の新規取引先を探しにきた」と語る。「1、2件、よさそうなメーカーがあった」と満足気だった。
上司に言われて吸湿発熱素材使いの製品を扱っている工場を探しにきたという大阪の商社関係者は、「見つけることができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。ただ、米国の有名キャラクター品の正規生産工場を見つけるという本人の目的は果たせなかったようだ。
岐阜県のアパレル企業関係者は、「いい工場」を求めて2回目の来場。「シルク製の生地を使っている会社に興味を持った。来週、中国に行くので、ついでにその会社に行ってみる」と語っていた。
同じく名古屋展への訪問が2回目だという名古屋のアパレル企業関係者は、「新しい発見を求めて来た。ダウン関係で、面白い企業があった。セーター関連でも気になる会社があった」と言う。
このような評価する声の一方で、出展者が少ないとの不満の声も少なくなかった。今回展への来場者が961人だった背景にも、そのことがあるだろう。AFFというブランドに、出展者、来場者双方に対する吸引力があるとはいえ、名古屋展はまだ2回目。「名古屋には製品関連の大型展が皆無。AFF・名古屋展は貴重な存在であり、発展してほしい」(愛知県蒲郡市のアパレル関係者)、「愛知には製造業が集積しているので、このような展示会が必要。ぜひ拡大してほしい」(名古屋市のユニフォーム製造関係者)というのが、少なくとも愛知・岐阜の繊維業界関係者の多くの思いだろう。
主催者も、「名古屋での開催はまだ2回目でポテンシャルは高い」として、3回目の開催を決めている。来年の名古屋展は開催時期を早め、2月21~23日に、今回と同じ吹上ホールで開催される。過去2回の経験を踏まえて開かれる次回のAFF・名古屋が、量的・質的に大きく飛躍することを期待したい。
(おわり)