クラトレ上海 繊維事業/ODM、原料ともに好調/下半期はODMの精度向上へ

2016年08月12日 (金曜日)

 【上海支局】クラレトレーディングの現地法人、可楽麗貿易〈上海〉(クラトレ上海)の繊維事業は、内販向け製品ODM(相手先ブランドによる企画・生産)と、高機能原料の内販が好調に推移している。2016年上半期(1~6月)は売り上げ、利益とも前年同期に比べ大幅に伸びた。下半期はODMの精度向上などに努める。

 内販向け製品ODMでは、日系スポーツブランドとの取り組みが引き続き健闘した。さらなる拡大を目指し提案力を向上させる考えで、デザイナーの充実や工場背景の見直し、プロセス管理の強化に現在取り組んでいる。上野裕樹副総経理は「強みの素材以外もレベルアップし、売れる製品をしっかり提案していく」と話す。

 PVA繊維「ビニロン」や水溶性長繊維「ミントバール」などの高機能原料のローカル顧客への販売は、上半期もカシミヤやタオルの紡績工場へのビニロン販売が伸びた。もっとも「円高が収益を圧迫しており、下期は価格変更も検討していく」(上野副総経理)。

 上半期に始めたミントバールの衣料、タオル用途への提案は、大手タオルメーカーへの採用が進んでおり、今後が期待できるという。

 売り上げベースの事業別割合は現在、内販向け製品ODM45%、高機能原料55%。昨年末と比較し、高機能原料の割合が高まっている。