クラレクラフレックス/クラレファスニング/「フェリベンディ」で多色展開/「マジックテープ」技術を応用
2016年09月15日 (木曜日)
クラレクラフレックスとクラレファスニングは、スチームジェット不織布「フェリベンディ」の伸縮タイプに、織製面ファスナー「マジックテープ」の染色技術を応用して多色展開を可能とした。
(1)顧客のニーズに合わせたカラー展開が可能(2)伸縮性が高く、複雑な立体形状にもフィットしてずれにくい(3)はさみを使わずに手で簡単に切ることができる(4)マジックテープのように繊維同士が絡み自着するため結束しやすい(5)従来型の紙製粘着テープに比べて高い保水性があるため、植物への吸水作用に適し、水分による変質や経時劣化に対しても優位性を持つ(6)粘着剤不使用のため、直接結束しても被着体にのりが付かない――などの特徴を持ち、「農業・園芸・ガーデニングでの植物結束用テープ」「野菜や果物類の結束用テープ」「ケーブル類や生活用品、工業分野での各種結束用テープ」などで用途開拓を狙う。
両社が所属するクラレの繊維カンパニー・生活資材事業部では、事業部内での営業面・技術面の協業を進め、販売・マーケティング機能の強化に取り組んでいる。今回の取り組みは包帯や衛生用品に広く採用されているフェリベンディ伸縮タイプの特徴に、マジックテープの開発で培ったポリエステル繊維への高機能後加工技術を組み合わせることで、親水性の付与と多色展開を可能とした。まずはクラレファスニングが得意とする結束テープ市場で展開し、新規需要の開拓を進めていく。
日本華道社の生け花・フラワーアレンジメント用水揚げテープ「ステムくん」に既に採用された。28~30日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「エヌプラス~新たな価値をプラスする材料と技術の複合展~」にも出展し、新しい用途を紹介する。
〈「マジックテープ」のアイデアコンテスト実施/クラレファスニング〉
クラレファスニングは、「マジックテープ」の新しい活用法の発見に力を入れるため、一般の人からアイデアを募集する「『マジックテープ』 アイデアコンテスト」を実施する。クリエイティブ部門、プロダクト部門、ホビー部門の3部門で作品を募集し、最優秀賞には賞金20万円に加え、副賞として「ミラノ・デザインウィーク2017」に招待する。
入賞者には実際にマジックテープを提供して作品を仕上げてもらい、2017年秋に開催される「東京デザインウィーク2017」の同社ブースで紹介する。
作品は、12月末まで特設サイトで受け付ける。
〈タイ新事業の詳細検討/住友商事らと3社共同で/クラレ〉
クラレは、タイのPTT Global Chemical Company、住友商事との間で、タイでのブタジエン誘導品の製造販売事業に関する詳細検討を始める。13日に3社で合意書の締結を済ませた。今後、生産設備の基本設計などを詰める。
製造拠点は、タイ・ラヨン県の工業団地を候補地に、2020年に高耐熱性ポリアミド樹脂PA9T(年産能力1万3000トン)、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーHSBC(1万6000トン)の稼働開始を想定。また、クラレ単独によるイソブチレン誘導品MPD(5000トン)の生産設備の建設も検討する。
今回の3社合弁事業の出資比率などは検討段階とし、最終的な投資判断は17年後半を予定する。イソブチレン誘導品MPDについても17年後半に最終投資判断を下す。