トンボ/新中計がスタート/ハードル高いが「結果出したい」

2016年09月27日 (火曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は、今期スタートした新中期経営計画「アクション300」で最終年度となる2019年6月期の売上高300億円を目標に掲げる。近藤知之社長は「目標のハードルは高い」としながらも「結果を出していきたい」と述べる。(一部既報)

 19年6月期の売上高の内訳はスクール216億円、スポーツ47億円、ヘルスケア30億円(表参照)。とくにスクールは3年前の13年6月期の売上高190億円から前期200億円と伸ばしてきたが、それを上回るペースでの増収を計画する。少子化で生徒数が減る傾向にあるが、「業界が再編成する中、生産拠点が減り、地方のアパレルの中にはモノ作りができないところも出てきた」(近藤社長)ことから増収の余地があることを示唆する。

 MD(マーチャンダイジング)の強化に加え、新商品を発売する前に縫製やパターン、着用試験などによって検証する「製品開発研究室」を新設。協力工場を含めて「品質重視の姿勢が評価されるよう強化する」「最高レベルの品質を追求する姿勢を出す」ことでアパレルとしての機能を高める。

 スポーツは、東京五輪に向け「売り上げ拡大のチャンスが出てくる」ことから地域に密着したスポーツを支援し、ブランド力の向上を目指す。ヘルスケアは、M&Aも視野に入れながら事業拡大に取り組む。

 新規事業の犬の歩行補助具ハーネス「ララウォーク」については、前期売上高が5000万円で、今期1億円を計画。一部で香港や台湾への輸出もあり、中国の大手通販サイト「アリババ」との取引も進める。

〈売上高、経常利益が過去最高〉

 トンボの2016年6月期決算は、売上高が265億円(前期比4・0%増)、営業利益が17億円(29・8%増)、経常利益が17億円(26・4%増)、純利益が9億5200万円(53・5%増)と増収増益となり、純利益以外はいずれも過去最高となった。(短信既報)

 スクールは制服モデルチェンジ(MC)校で104校獲得し、MC校全体の41・8%を占めた。生徒数でも前の期に比べ約7500人増えたことで、増収となり、初めて200億円を超えた。大阪、福島、愛媛で健闘し、東海地区では大口物件の獲得もできた。

 スポーツは「ヨネックス」が過去最高となる107校の新規校を獲得、全体でも約200校を獲得したことで増収となった。ヘルスケアは患者衣や室内衣といったコンフォートウエアの販売が好調で増収を確保している。

 今期は、売上高276億円、営業利益17億円、経常利益18億円、純利益10億円を計画。うち、スクール207億円、スポーツ44億円、ヘルスケア21億円を想定する。