「AFF・東京2016」出展企業/コスト・人員対策で自動化進む/裁断機、ハンガーシステムなど
2016年09月30日 (金曜日)
サンシャインシティ文化会館B、C、Dホール(東京都豊島区)で「AFF・東京2016」が今日まで開かれている。初日の来場者数は約1300人で昨年の東京展と比較して1割ほど減った。出展者からも「昨年より人出が少ない」との実感が聞かれるが、多くの来場者が足を止めるブースも見られる。
中国国内での生産は、人件費アップをはじめとするコスト増対策として、効率化が課題となっている。出展企業の中にも具体策として新設備を導入した企業があり、今後の効果を期待する。共通するのは生産ラインの自動化投資だ。
ニット工場の偉綸織造は、月産2万枚規模の自社工場でコンピューター制御による自動編み機を40台保有する。コスト低減も目的だったが、人員確保が難しくなっていたことも理由で、省人化しつつ生産規模を確保するために、自動化投資を行った。100人いた自社工場の従業員は現状、30~40人になっている。
生産貿易一体型でキッズのカットソーを主力に手掛ける青島正謙楽客国際貿易も人材確保難を理由に自動化投資を決めた。低価格ゾーン向けに月産10万枚を生産する平均的な規模の工場だが、担当者は「人が集まりにくくなっている」と話す。このため、2月に自動裁断機を導入して生産性向上に取り組んでいる。パーツが多いスポーツウエアを得意とするだけに、品質管理が難しい東南アジアでの生産は今のところ想定せず、中国生産による低価格対応を続ける考えだ。
中国無錫東翔貿易では、500人の従業員を抱える自社工場の無錫東翔針紡織が2年前から設備の自動化を積極的に進めている。自動裁断機に加えてハンガーシステムも導入し、1ライン内の各工程間の輸送を自動化した。スポーツウエアを中心に年間300万枚を生産する同工場では、設備の自動化によって発生した余剰の人員を他部署に回すなどで、効率性の向上に効果が出ているという。