シキボウ、山本香料、凸版印刷、東邦車輛/衛生車の悪臭を芳香に/「デオマジックVC1オイル」開発

2016年10月05日 (水曜日)

 シキボウと山本香料、凸版印刷、東邦車輛の4社はこのほど、糞便臭を芳香に変換する衛生車(バキュームカー)用潤滑油「デオマジックVC1オイル」を開発した。東邦車輛が1日から全国の環境整備事業者への販売を開始し、初年度売上高3億円を目指す。

 消臭加工は通常、臭い成分を吸着して低減する方法や、他の芳香で悪臭をマスキングする方法が一般的。しかし、こういった方法では悪臭を完全に消すことが難しく、特に糞便臭などは極微量の臭い成分が残るだけで悪臭として感知されることから、消臭が極めて難しい。

 一方で香水など芳香品は通常、何十種類もの香り成分を調合して作る。実は、この中には微量ながら単独では悪臭となる成分も含まれている。単独では悪臭となる成分が含まれることで、より芳香がさえる効果がある。

 この仕組みを応用してシキボウと山本香料は2011年に新発想の消臭技術「デオマジック」を開発した。あらかじめ糞便臭など悪臭成分を除いた芳香成分を調合し、ここに悪臭成分が加わると他の香り成分と合わさり、芳香に転換される仕組み。

 この技術を応用し、シキボウと山本香料、デオマジックの販売代理店である凸版印刷、衛生車メーカーの東邦車輛は、バキュームカー向け潤滑油「デオマジックVC1オイル」を開発した。バキュームカーの作業時に使用する真空ポンプ用潤滑油にデオマジックの成分を調合した。従来の潤滑油をデオマジックVC1オイルに交換するだけでバキュームタンク内を循環し、糞便臭を芳香に転換する。

 これにより作業員の労働環境を改善するだけでなく、作業中に近隣に飛散する糞便臭を防止できるため、地域環境の改善も可能になる。全国の環境整備事業者数10社でモニター試験を行っており、全ての事業者が排気からの糞便臭がなくなった回答するなど効果も実証済みだ。

 デオマジックVC1オイルは、シキボウと山本香料がデオマジックを、東邦車輛がオイルの製造と販売を行う。価格は1缶(20リットル)3万5000円。