特集/ITMAアジア+CITME2016/アジア最大のプラットフォーム(2)

2016年10月18日 (火曜日)

有力企業が多彩に出展/最新機器からシステムまで

〈ボルテックスを実機展示/統合管理システム「MSS」も注目/村田機械〉

 村田機械は「Link to the Future」をテーマに出展する。高品質と高生産性の両立、優れた省エネ性能、市場の多様な要求に応えるための差別化などさまざまな要望に対する同社の回答として自動ワインダー、渦流精紡機「ボルテックス」の最新機種を実演展示で紹介する。近未来の機械保守・メンテナンスサポートも提案する。

 粗紡・精紡・巻き取りの3工程を1台でこなすボルテックス精紡機は最新機種である「ボルテックスⅢ870」(16錘)を実演する。ボルテックスⅢ870は納入実績が1000台を超えた。ポリエステル100%の太番手紡績を実演し、ホームテキスタイルにも使える汎用性を訴求する。レーヨン短繊維での毎分500㍍の高速紡績のほか需要が拡大するポリエステル綿混糸の紡績も実演する。素材メーカーやアパレルから提供を受け、ボルテックス糸の最新テキスタイル・製品サンプルも展示する。

 一方、自動ワインダーでは「プロセスコーナーⅡQPROプラス」(ボビントレータイプ24錘)、「プロセスコーナーⅡFPROプラス」(リンクコーナータイプ12錘、うちマガジン仕様4錘)を中国展示会で初披露。QPROプラスは高生産性、高品質、省エネを実現した。FPROプラスはリンクコーナータイプにマガジンユニットを4錘搭載し、さまざまな糸種、番手、パッケージ形状での巻き取りを実演する。簡単な設定変更でスピーディーなロット変更、仕掛かり変更が可能だ。多品種少量生産に対応したアームトラバース式ワインダー。

 顧客サポート統合管理システム「ムラテック・スマート・サポート(MSS)」も注目だ。保全業務へのスマートフォン/タブレット端末利用により、機台前作業サポートの実現を目指す「MSSウエブ・アプリケーション」をデモ展示する。

(ブース:H2―D01)

〈AJの汎用性高まる/WJでは新モデル発表/豊田自動織機〉

 豊田自動織機は、同社独自の電子開口装置「E―Shed」の汎用性をさらに高めたモデルを含む、エアジェット(AJ)織機「JAT810」4台で製織を実演する。ウオータージェット(WJ)織機については、従来モデル「LWT710」より性能を向上させ、かつ新機能を搭載した新モデル、「LWT810」を発表。リング精紡機「RX300」では、前回の「ITMAアジア」展で発表して以来好評を博している特殊意匠糸「モザイク糸」の紡出を実演し、色や太さなどを自在に切り替え可能なことをアピールする。

 E―Shed搭載のJAT810では、デザイン性の高い複雑なギンガム柄、異種異番手糸使いの変則コーデュロイ、パイルやボーダーそれぞれの最適設計が可能な高品質タオルなどを、高速で製織してみせる。広幅(340センチ)で、経緯とも異種異番手糸使いのインテリアクロスの高速製織も可能。LWT810では、多節クランク広幅で高密度エアバッグを高速かつ安定的に製織する。

 RX300では、2種類の原料の配合比率を自在に変えることができ、かつスラブ動作を加えることでさまざまな意匠糸の紡績を可能にしたモザイク糸システムによる紡出を実演する。ウースター社と共同開発した、糸継ぎ操作が容易な小型センサーヘッド搭載の糸切れ検知装置の展示も予定する。

(ブース:H3―B16)

〈複合紡糸ノズルで差別化/技術サポート体制もアピール/化繊ノズル製作所〉

 化繊ノズル製作所はパネル展示で紡糸ノズル大手としての企業PRを行う。同社にとって中国は売上高の約40%を占める重要市場。中国の合繊メーカーや不織布メーカーは定番品から差別化品へ指向が変化し始めた。同社が有する高い精密加工技術から生まれた複合紡糸用はじめ、需要家が差別化品を生産するための紡糸ノズルを数多くそろえる。

 同社の強みは設計から製造、高品質そして安定供給体制にある。中国市場で高いシェアを持つのは、こうした強みを中国企業が評価し、信頼感を持っているからだ。そして中国・上海市には上海代表所を設けて中国の需要家をフォローするとともに、日本から技術者を出張させて技術サポートをきめ細かく行う。

 特に複合紡糸用ノズルは設計段階から海島型、割繊型、芯鞘型などさまざまなタイプをラインアップ。戸川哲也社長は「定番品ではなく、複合紡糸用を中心に中国市場へ販売してきた。

 中国の合繊業界はポリエステル繊維を中心に大増設によって供給過剰にある。しかし、当社は複合紡糸用ノズルなど差別化品が中心であり、供給過剰の影響は少ない」と自信を見せる。

 今後も中国は最重点市場であることに変わりはないが、中国の合繊メーカー、不織布メーカーはより高品質を求め、差別化品を指向するなど成熟化すると分析。そうした指向の変化に対して「高い技術開発力は発揮しやすい。中国企業と一緒になって新原糸開発にもつなげていきたい」と話す。(ブース:H2―A12)

〈高速仮撚機を充実/自動糸掛けロボットも披露/TMTマシナリー〉

 TMTマシナリーは新開発の単錘駆動ニップ式高速仮撚機「ATF―1500N/V」を実機出品するほか、自動糸掛けロボットも披露する。

 同社の高速仮撚機は従来、細繊度糸の加工を主眼としたフリクション式が中心だったが、市場ニーズを反映し特殊糸加工も可能なニップ式高速仮撚機を単錘駆動タイプにリニューアルした。展示では660デシテックス以上の極太繊度糸の加工を実演し、カーペット用途など新たな分野への展開を提案。市場で高評価を得るベルトトラバース装置とIAD(単錘ドッファー)など最新機能搭載のピン仮撚機、エアー加工機、ナイロン専用仮撚機をラインアップに加えた。

 室内展示ではPOY巻取設備「Eco―ORCA」に世界に先駆けて開発を進めている自動糸掛ロボット「Birdie―Ⅰ」を組み合わせた実機デモンストレーションを実施。革新的な提案を行う。

 (ブース:H2―D02)

〈製織支援機能を大幅向上/中国と津田駒工業の技術融合/津田駒工業〉

 津田駒工業は“スマート・テクノロジー”をテーマに出展する。津田駒工業グループとして最新のジェット(AJ)織機、サイジング機を開発、環境への配慮と生産効率、品質、付加価値を高め、世界の生産現場で求められる省力化、省人化を支援する。津田駒工業のほか、津田駒機械製造(常熟)、経緯津田駒紡織機械(咸陽)、T―テック・ジャパンが出展する。

 最新AJ織機「ZAX9200i」は、津田駒工業が世界に先駆けて開発した製織支援機能“ウィーブ・ナビゲーション・システムⅡ”としてバージョンアップし、使いやすさを大幅に向上。省資源、省エネルギー、省人化も一段と高めた。ウオータージェット(WJ)織機「ZW8100」は高速安定性を高めた。従来機に比べ10%アップの高速性能と電気消費量を5%削減し、振動も半減させた。津田駒機械製造〈常熟〉はWJ織機「ZW508」、経緯津田駒紡織機械〈咸陽〉はAJ織機「ZAX―GSi」を出展し、中国のモノ作りと津田駒工業の技術が融合した“中国生まれの津田駒ブランド”を紹介する。

 中国は公害規制の強化、諸コストの増大、求人難から事業環境は一段と厳しくなる。高速性能を追求しながら水、電気、蒸気などのエネルギー消費を一段と抑え、さらに省人・省力化を進める。また、熟練度の低い労働者でも簡単に高品質製品を生産できるシステム提案にも力を入れる。

(ブース:H3―D32)

〈AJ、レピアで最新機種/中国生産機も次世代型に/ピカノール〉

 ピカノールは最新鋭のエアジェット(AJ)織機「OMNプラス・サマム」とレピア織機「オプティマックス―i」で多彩な製織を実演する。好調な販売が続く中国生産機も次世代型「GTマックス―i」へとバージョンアップした。ピカノールの日本販売代理店はエディーが担う。

 ITMAアジアでは衣料用ファブリックに向けた提案を重点的に行う。AJ織機のOMNプラス・サマムはシャツ地、シーティングなどを多彩に製織実演するほか、OMNプラス・サマム―Xでボトム用の中肉厚地も製織することで幅広い対応力を見せる。

 一方、レピア織機のオプティマックス―iはファンシーデニムの製織を実演する。綿糸だけでなくナイロンやスパンテックスなど異種異番手による複合織物でオプティマックス―iの高い汎用性をアピールする。

 中国生産機も次世代型のGTマックス―iを披露。綿100%デニムのほか、経糸にポリエステル、緯糸にポリエステル、レーヨン、シェニール糸を使っての実演などで、こちらも従来機を上回る汎用性と高付加価値製織への対応力を打ち出す考えだ。

 (ブース:H3―C20)

〈デニムもレピア織機で/AJ織機はジャカード搭載/イテマ〉

 イテマは、デニム用レピア織機として新型機「R9500デニム」を実機披露する。日本での好評のタオル織機「R9500テリー」や、世界的に実績豊富なエアジェット(AJ)織機「A9500」も出展し、AJからレピア方式まで幅広いテクノロジーを打ち出す。

 R9500デニムはファンシーニット調デニムの製織を実演する。ジーンズ製品の新しいトレンドに対応した汎用性が特徴。一方、昨年の「ITMA2015」で世界デビューしたタオル織機、R9500テリーはアジアでの展示会では初の実機展示となる。日本では今治産地などの有力機業が既に導入を進めるなど評価は高い。

 AJ織機のA9500は電子ジャカードを搭載してアフリカン・ダマスク織の製織を実演する。電子ジャカードは独立駆動方式を採用することでカルダンシャフトを廃止するなど最新の電子制御技術を投入した。

 ITMA2015で発表したレピア織機、R9500pも実機展示。こちらもシャツ地、14オンスのデニムを製織実演し、高い汎用性をアピールする。

 そのほか、ボーナスなどジャカード・開口機メーカーのブースで中国生産のレピア織機「R9000」、AJ織機「A9000」も紹介する。

(ブース:H3―E01)

〈「3000」シリーズが登場/「サファイアS40」を初披露/ストーブリ〉

 ストーブリは新型ドビー「3000」シリーズの上置き型を披露する。さらにカムは現行の「1681」の後継機のコンセプトを披露するほか、準備機でもドローイング機「サファイアS40」を初披露する。いずれも工場の省人化、稼働率向上に貢献する機種として提案する。

 ドビーは3000シリーズの上置き型を紹介することでウオータージェット織機が多いアジア市場をメインターゲットに据える。既に販売している下置き型の3060と同性能のドビーヘッドを開発し、メンテナンス性も大幅に向上した。カムは8口対応レベリング装置付きのコンセプト機を披露。レベリング装置は油圧式から機械式にすることでメンテナンス性を高めた。

 ドローイング機のサファイアS40はサファイアS30のドロッパー付きタイプだ。このため綿グレーファブリックやデニムメーカーへの提案を進める。タイイング機も「トップマチック」「マグマ」の2機種をそろえる。

 自社ブースで電子ジャカード「LX」「LXL」を実機展示する。新たに密閉型ベアリングを採用し、グリースアップポイントを廃止することでメンテナンスフリーを実現した。耳ネーム用小型ジャカード「LX12」(192口)も出展。独立駆動方式のため機械的限界がないのが特徴だ。

 こちらは細幅用ニードル織機の載せ替え需要に対応した機種。

(ブース:H3―C28)

〈クオーターゲージを披露/高付加価値と高生産性両立/福原産業貿易〉

 福原産業貿易グループは“クリエイション・フォウ・ザ・フューチャー”をテーマに、生産品の髙付加価値化と髙生産性を両立する丸編み機を出展する。注目はダブルニット4色オートストライパ付きクオーターゲージニット機「M―FY4QG」だ。

 クオーターゲージはダイヤル針が28ゲージ、シリンダー針が7ゲージという特殊仕様のダブルニット機となる。同社が得意とする4色切り替え装置を搭載し、独自の創造性をアピールする。最大の特徴は編み地の表裏で素材や太さが全く異なる糸を使用してファッション性、肌触り、防風性を高めるというような商品展開が可能になることだ。

 ダブルニット両面選針電子柄編み機スーパーマルチフィーダモデル「M―LEC―6DSI」は、28ゲージでのダイヤル針とシリンダー針の双方のコンピューター選針で高度な品質に対応できる。寝装品、マットレス生地を生産するのに適する機械だ。マットレス用途で高級品を編成するために活躍するのが両面選針機だが、現在では高級品とはいえ高い生産性が求められるようになってきたため、マルチフィーダ型の機械を開発した。

 同社は中国市場について、「中国国内向け生産品の高品質化に伴って高級機需要が今後増加していく」とする。そのためには、市場の要望に合った速度で技術サービスを行い、従来の顧客に加え新規顧客を開拓するという。今後の編み機業界での生き残りのためには、模倣されにくい高いレベルの開発を継続していく。

(ブース:H4―D02)

〈「MACH2XS」が登場/ニット産業とパートナーシップ/島精機製作所〉

  島精機製作所は「オープン・ユア・フューチャー」をコンセプトに最新の横編み機を提案する。パートナーと適切な技術で未来が手に届くくらい、より近いものとすることを目指す。中国・アジアのニット産業とパートナーシップを構築し、技術力で支援する。

 ホールガーメント(WG)横編み機のフラッグシップモデル「MACH2XS」を出展。独自に開発したスライドニードルを4枚ベッド機構に搭載。また、スプリング式フルシンカーシステムはループに無理な力を与えず、編み目に優しく理想的な状態でループを保持することができる。

 コンパクトタイプWG横編み機「SWG061N2」も出品する予定で、こちらはファッション製品、アクセサリーから資材用途まで広範囲に優れた対応力を持つ。

 成型編み機では、針床が72インチ/180センチの「SRY183LP」を出品し、16ゲージという超細ゲージで実演する。ガーメントレングス生産の支援や最大30個のインターシャ・キャリアが装着可能で完全なインターシャ・パターニング機能で優れた性能を発揮する。

 新機種の「SVR123SP」は後ニードルベッド上部にループプレッサーベッドを搭載する。シンカーとステッチプレッサーに加え、安定したループの押さえ込みが可能となり、インレイ柄の編成が特に容易になった。

 「SV123SP」の14ゲージタイプを発表。ファッションから資材までの用途に対応し、トリプル編みシステムはインレイのような複雑な構造をもった生地の生産に高生産性を発揮する。ニットサプライチェーンを管理する「シマ・ニットPLM」も実演する。

(ブース:H4―C33)

〈綜絖枠にCFRP活用/高速・高負荷稼働に適応/ナンカイ工業〉

 ナンカイ工業は織機用綜絖枠「ニューライト」で知られる。高速稼働、環境重視、新開口装置など織機メーカー、エンドユーザーの情報を直接吸い上げることで、常に最新ニーズに適合した製品の開発に定評がある。

 同社の綜絖枠は世界的にも高いシェアを有する。高速化、広幅化が進むなかで綜絖枠の軽量化と強度の向上は不可欠な条件。これを満たすには素材の選定、開発の段階から取り組み、常にユーザーの視点に立った発想と経験によって高められた技術力により、ハイクオリティーな製品を開発している。

 出品するのは「COLLABOⅢ」「COLLABO」の2種。「COLLABOⅢ」は高速稼働、高負荷稼働に対応した狭幅綜絖枠。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)複合により、重量を抑えながら高剛性を実現した。COLLABOもCFRP複合の綜絖枠だ。高速、高負荷稼働に対応し、製織条件によりセンターステイレスでの製織が可能となる。

 今後、中国における製織技術の向上による高品質織機の開発と、それに伴う日本製織機の需要拡大に期待を寄せる。

(ブース:H3―B12)

〈リードから周辺機器まで/市場の要求に応える開発を/高山リード〉

 高山リードは、高品質リードのアピールやエアジェット(AJ)織機用リードの新型周辺機器の紹介、準備機用リード・装置の提案を重点目的に掲げる。

 同社は中国の繊維産業について、製品の高品質化が進み、繊維機械部品、とりわけリードは高品質な製品が求められていることから、自社製品の浸透が進むと期待する。市場の要求に合致したリードや利便性のある商品、先端産業資材用リードの開発に取り組む。

 メンテナンス機器では織機上のリードに経糸を通したまま自走クリーニングするリードクリーナー、AJ織機の安定稼働の基本であるサブノズルの噴射状態を装置のディスプレー上でビジュアルに確認できるサブノズル・インスペクター、織機メーカーの測定基準に準拠した風圧値を織機上で簡単に測定できるポータブル・エア・チェッカーなどを出品する。

 リードはAJ織機の性能を最大限に引き出すために基本性能から追求し、幅広い分野で安定的に稼動するトンネルリード、製紙用紗紙網やカンバス等抄紙用具製織でも使われるジャンボリード、レピア・プロジェクタイル織機での難度が高い製織に、幅広いバリエーションでソリューションを実現するドラフレックスリードなどを紹介する。

(ブース:H3―D28)

〈染色機から周辺機器まで/染工場が抱える問題を解決/日阪製作所〉

 日阪製作所は「キープ・オン・チャレンジング」(挑戦し続ける日阪)をテーマに高級品や高難度品・付加価値品への対応、環境・省エネへの取り組みをアピールする。液流染色機「CUT―AR」、高温廃液水洗装置「HTDR型」、粉体(染料・薬品)急速注入装置「RD型」を出展する。

 CUT―ARは自動車内装材、スポーツウエア、インテリア、医療用資材などで実績を持つ。省スペースと大容量加工を兼ね備え、品質・コスト・デリバリーで染色加工場の信頼性や生産性の向上に寄与している。

 HTDR型は高温域(130℃)から冷却と同時に水洗することで燃料費、薬品代の削減が可能となる。水洗の削減、同浴・別浴、ソーピング、湯洗いなどが省略できるため、生産性、堅ろう度、品位などの向上が図れるのが特徴だ。RD型は染料を溶解せずに、計量後に紛体状態で急速注入が可能なため、染色加工の現場での染料の持ち運びを軽減し、短時間注入が可能。生産性の向上にもつながる。

 同社では中国で高付加価値・高品位・環境配慮型などの要求が高まっていると分析。それに伴い新設備への投資が高まることに期待する。このため染色加工周辺のシステム紹介も行い、染色加工場が抱える問題解決への提案を行う。

 (ブース:H6―F12)

〈「タイガー―1800B」披露/中国自社拠点のサービス力強化/ミマキエンジニアリング〉

 ミマキエンジニアリングは、このほど傘下に加えたイタリアのインクジェット捺染機メーカー、ラ・メカニカのダイレクト式インクジェット捺染機「タイガー―1800B」をメインに訴求する。

 同社は現在、ダイレクト方式のインクジェット捺染機で高速機へのシフトを進めている。このためITMAアジアでもタイガー―1800Bをはじめ、自社製の「TS300P―1800」「MM700―1800B」など高速機3機種を重点提案する。

 タイガー―1800Bは、京セラ製の16ヘッド搭載機。TS300―1800やMM700―1800Bと併せて8月にインドで開催された展示会でも披露し、好評を博した。こうした評価を中国にも波及させることを狙う。

 上海市と広東省広州市の自社拠点のサービス力の強化に取り組む。サービス体制を整備しながら、高速機の販売に弾みをつける。

 (ブース:H5―D33)

〈最新のテンション制御装置/極細番手糸に対応する設計/イズミインターナショナル〉

 イズミインターナショナルはガラス繊維用テンション制御装置「TOP1000」「TOP5000」を提案する。ガラス繊維などに適した磁気タイプのテンション制御装置だ。糸を損傷することなく0・5グラム単位で糸のテンションを制御できる。

 プリント配線基板用極薄ガラス繊維織物の生産が台湾や中国メーカーで本格的に始まっているが、前回のITMAアジアに出展した細番手糸のクリール用テンション制御装置よりも高性能な極細番手糸に対応する設計・開発に成功した。

 ジェット織機用のボビンワインダーや織機用ラバーストリップも出展する。ラバーは従来型に加え、長寿命型、超長寿命型、ガラス繊維用など多様な織物に対応できる各種タイプをそろえている。いずれも高性能、高機能が持ち味であり、長年の販売実績を持つ商品のため織機ユーザーが安心して使うことができる。それにより顧客の工場の生産効率向上につながるものと期待されている。

 (ブース:H3―D30)

〈高速稼働対応のトラベラー/改良型リングで安定紡出/金井重要工業〉

 金井重要工業は長年の生産・開発で培ったトラベラーやリング、針布、メタリックワイヤーの高品質には定評がある。今後、特殊糸や起毛でも特殊な風合いなどニッチ分野にも対応した開発に力を入れる。

 今回展は綿紡績向けにコンパクト糸用として好評のトラベラー「NFC ESR/hf」タイプやリング「NANOSPIN」を改良した「NANOSPIN―EX」などを出品する。

 「NFC ESR/hf」は毎分2万回転以上の高速稼働でもトラベラーの飛散がなく、高速性と長寿命を実現した。一方、「NANOSPIN―EX」はクロムメッキによる高硬度、超寿命を維持しながら、表面状態を滑らかに均一になるように「NANOSPIN」を改良した。これにより初期の慣らし運転時から安定した紡出性能が期待できる。

 同社では中国の人件費上昇に伴い省人化や長寿命品へのニーズが高まってくると予想。その中で、綿紡績分野での認知度を高め、シェア向上を図る意味もあり、同展に継続出展している。

 ブースには経験豊富な中国の販売代理店も常駐しており、起毛用、紡毛用の針布では要望に応じた仕様選定、打ち合わせも会場で可能としている。

 (ブース:H1―A12)

〈糸加工で有力機種紹介/展示会場にスペースも用意/伊藤忠システック〉

 伊藤忠システックは、ITMAアジアを通じて日本のユーザーに同社が輸入する有力機種を紹介する。特に今回は糸加工機関係の紹介に力を入れる。

 現在、日本では特殊な糸加工に対応した機械を製造するメーカーが少ない。一方、ユーザーの間では生産品種の多様化から原糸からの差別化を目的に特殊な糸加工へのニーズは高い。こうした要望を受け、伊藤忠システックは商社の強みを生かし、欧州を中心にユニークな加工機の調査と紹介を行う。

 現在、取り扱っているザームのヤーンコーティング機なども実機を紹介することで需要の掘り起しを進める。電子ジャカードもボーナスの新型機「Si」を重点的にアピールする。

 日本からの視察ツアーも組織し、約40人が参加する予定。展示会場のセミナールームにスペースも確保し、日本からの来場者に情報交換の場として提供することで、ユーザー同士のコラボレーションも支援する。