「ITMAアジア+CITME」/省人化関連などに引き合い/日系メーカーの商機が拡大

2016年10月25日 (火曜日)

 【上海支局】中国・上海市の中国国家会展センター〈上海〉で、21日から今日25日まで開催されている国際繊維機械見本市「ITMAアジア+CITME2016」の日本メーカーのブースでは、活発な商談が交わされている。生産の省人化ニーズや製品の高付加価値化のニーズが高まる中、日系メーカーの商機が拡大していることを示していると言えそうだ。

 村田機械は、省人化ニーズに応える「ボルテックス」精紡績などを出展し、多くの引き合いを受けている。同機は粗紡、精紡、巻き取りの3工程を1台でこなし、プロセスの省略により人件費を削減できる。機能性を持つ差別化糸を生産できることから、近年中国での販売が急伸している。

 村田機械と共同でブースを構えたTMTマシナリーは、高速仮撚機など差別化を図るための加工機を中心に提案している。中国の紡績は高次加工により差別化し、過当競争の中で生き残りを図ろうとしている。こうした中、同社の内販は今年、昨年の落ち込みから回復傾向を見せている。今回展では衣料用途に加え、安全・安心やエコロジーなどの付加価値がより求められる産業用途をターゲットにする仮撚機の訴求にも力を入れている。

 島精機製作所は、「ホールガーメント」横編み機「MACH2XS」を前面に打ち出している。同機は、製品の高付加価値化を目指す中国のニッターへの導入が進んでいる。3Dデザインシステムを核とした、ニット製品の企画から生産、販売促進までのトータルソリューションの提案も注目されている。

〈コニカミノルタ/東伸工業と業務提携/「ナッセンジャーSP―1」内販で〉

 【上海支局】コニカミノルタは21日、インクジェットテキスタイルプリンター「ナッセンジャーSP―1」の中国内販に関し、染色機械の東伸工業(兵庫県尼崎市)と提携すると発表した。東伸工業が中国の自社販売網を活用し、同機種を販売していく。

 「ITMAアジア+CITME2016」の会場でコニカミノルタのインクジェット事業部、小松克明部長が記者会見し明らかにした。小松部長は「東伸工業は中国で捺染機の販売で豊富な実績を擁し、販売網を広範囲に築いていることから提携に至った」と説明。中国を皮切りに、他地域でも提携する可能性を示唆した。

 東伸工業は、ナッセンジャーSP―1の搬送機をコニカミノルタに提供している。今回生産から販売に協力関係を広げる形だ。

 ナッセンジャーSP―1はシングルパス方式を採用し、従来捺染機並みの高速捺染を実現している。昨年11月開催の「ITMA2015」(イタリア・ミラノ)で初出展後、販売を始め、現在ポルトガル、イタリア、トルコで計4台が稼働している。

 シングルパス方式のプリンターは、同社以外に伊MSとオランダ・SPGプリンツが展開し、世界で約10台が導入されている。