繊維ニュース

新JISケアラベル特集(2)/新ケアラベル対応を支援する

2016年11月08日 (火曜日)

〈カケン/25日に福岡でセミナー/情報共有と体制整備を〉

 カケンテストセンター(カケン)は新ケアラベル対応セミナーを内外で開催してきた。25日にも福岡市博多区のリファレンス駅東ビルで「新ケアラベルISO化について」の無料セミナーを開き、絵表示のルール説明とともに、具体的な商品をサンプルとして絵表示の付け方を解説する。カケンは検査機関の中で最も多くセミナーを開催し、啓発普及活動に努める。

 カケンのセミナーは、アパレル業界が17春夏の新ケアラベル取り付け作業が始まった6月以降、実際の製品事例を基に、新表示作成手順、注意事項などを説明する内容になった。

 「金属が使用されている商品の漂白剤の扱い」「商業ドライクリーニングの実情に合わせた記号の選択」「タンブル乾燥処理記号の扱い」などの注意点も盛り込んだ。

 企業個別セミナーも開き、「この表示は不適正か」といった質問にも対応する。現在のJIS L0217の表示記号は長年業界でコンセンサスを積み重ねてきた。それだけにJISL0001が円滑化するには何年もかかるだろう」と予想する。

 12月1日以降は売場、アパレル、クリーニング店などそれぞれの立場からさまざまな意見が出てくる。「検査機関として、繊技協の品質情報委員会で情報共有を活発化する。内部的にも必要に応じた体制を整備して対応力を強める」考えだ。

〈QTEC/11月にも基礎セミナー/17秋冬でも問い合わせ続く〉

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)は11月もQTEC「繊維の基礎」セミナーで、新JISの取扱い表示を解説する。「新JIS移行に関する注意点やポイントとともに、サンプル製品を使って表示決めの実習も行う」予定だ。10日に東部事業所、17日には中部事業所と西部事業所で開く。海外でも中国、バングラデシュなどで現地企業を対象に開いてきた。12月以降も個別セミナーで対応していく。

 問合せは主に東部と西部事業所が顧客サービスユニット、中部事業所は営業ユニットが対応する。「最近の問い合わせは、自社で付けたラベルが適正かどうかと、具体的なものが多い。17春夏物がスタートだが、17秋冬物は素材も広がり、ラベルへの問い合わせは今後も続く」とみる。

 QTECは新JIS対応の負荷布も各事業所で販売する。これはJIS L1930の規定に合った試験用の布で、セルロース系繊維製品に使用するⅠ型(綿100%織物、92×92㌢)と、合繊および混紡製品に使用するⅢ型(ポリエステル100%編み物、20×20㌢)がある。他の検査機関やラボなどに販売する。

 「新ケアラベルへ一新されることには不安や懸念は残る。しかし、酸素系漂白のアピール、輸出への契機といった側面もある。施行後にいい方向に向かえば、業界や社会への浸透も進む」と言う。

〈ニッセンケン/QCSチームと連携/商業ドライ試験にも対応〉

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は新JISケアラベル対応で、商業ドライクリーニング試験を3月から開始した。東京事業所では「JIS L 1931―2 パークドライクリーニング」と「同1931―3 石油系ドライクリーニング」の両規格に基づき、溶剤中への水添加を含む試験を行う。検査機関でクリーニング業者が使用するドライクリーニング実機を有するのはニッセンケンだけである。

 新JISに関する問い合わせには本部試験部と品質コンサルティング(QCS)チームが連携、情報共有して対応している。普及活動として新JIS対応セミナーや個別セミナーも開いてきた。さらに新JISの説明印刷物を製作し、取引先や消費者団体などにも配布。ニッセンケンの今年の卓上カレンダーは新ケアラベルを解説して好評だったため、来年のカレンダーも新JIS実践編として予定する。

 12月1日の施行を前にするが、「QCSチームは今も個別セミナーで相談を受けている。不適正な表示はまだある。例えば石油系溶剤でのドライクリーニングを表示し、タンブル乾燥禁止、自然乾燥という表示もある。これではクリーニング店に石油系溶剤が充満し、消防法などにも触れる」。17春夏商品が最初とはいえ、17秋冬での表示修正もあり、個別セミナーは今後も継続していく。

〈東京吉岡/顧客に情報サービス提供/12月展でも再度発信〉

 東京吉岡はこれまで、顧客情報サービスとして新JISケアラベル対応のさまざまな印刷物を製作してきた。5月に配布を開始した「新取扱い表示記号ミニガイドブック」は8・5×5・5㌢に畳めるコンパクトなサイズ。表示記号の説明のほか、取扱い表示記号の新旧対比表も片面にあり、変更ポイントも分かりやすい。店頭の販売員の説明にも便利だと好評で、増刷を重ねて3万部を発行した。

 「新取扱い表示記号・共通コード早見表」とこれをコンパクトにまとめた「早見カード」「新取扱い表示マニュアル JIS L 0001ガイド」も作成し、配布した。

 さらに、これまで「品質・取扱い表示マニュアル」を小売り・アパレル向けの業務用として取引先に配布してきたが、今回の変更に合わせて、6月末に改訂版(約160㌻)を2000部発行。「アパレルだけでなく、縫製工場からの引き合いも多い」。同マニュアルの英、仏、中国、台湾、韓国語の改訂版を作成中だ。

 新ケアラベルは「9割の企業が決定したが、まだ1割ほどは決めかねている」という。業界で一本化した組み合わせ表示共通コードは「予想したほど統一化されていない。自社コードで対応する企業も多い」ようだ。同社は12月12日から展示会を開催する予定で、その会場でも改めて新JIS対応の情報サービスを行うという。