三菱レイヨン/SGLの米国工場買収/北米の炭素繊維事業を強化
2017年01月11日 (水曜日)
三菱レイヨンは、独SGLグループの北米での炭素繊維製造拠点であるSGLカーボンファイバーズ(ワイオミング州エバンストン、以下SCF)を買収することを決めた。完全子会社のミツビシレイヨンカーボンファイバーアンドコンポジッツ(MRCFAC)が、SCFの親会社であるSGLテクノロジーズノースアメリカから全持分を取得し、4月初旬までに子会社とする予定。
SCFの買収で炭素繊維焼成能力を増強する。これにより同社の炭素繊維生産能力は年間1000トン以上増加する。近く稼働するMRCFACの米国サクラメントのレギュラートウ炭素繊維工場能力増強、今年に予定する大竹事業所の能力増強と合わせ、年間生産能力は1万100トンから1万4300トンに拡大する。今後、SCFの敷地内でさらなる炭素繊維と中間材料の増設も検討していく。
三菱レイヨンは航空機や圧縮ガスタンク用に使われるレギュラートウ並みの物性と品質を持ちながら、大型部品成形時に高い生産性を実現する高機能ラージトウを開発し、2011年7月の大竹事業所炭素繊維工場の稼働以来、用途開拓を進めてきた。特に風力発電機用のブレード向けに需要が伸びているほか、自動車の軽量化材料としても、高機能ラージトウを使った各種中間材料の引き合いが増加しており、設備は高稼働状態が続いているという。