帝人フロンティア/ヘルスケアで事業拡大/最終製品供給を重視
2017年02月09日 (木曜日)
帝人フロンティアの生活資材本部は2015年に設置したウェルライフ推進部で扱う商材を起点とした事業拡大を課題とする。衛生、介護関連などの分野で帝人グループの機能素材を生かした最終製品での供給を重視し、大型の取り組み案件の創出を狙う。帝人グループ本体から移管されるポリエステル繊維事業も生かし、顧客ニーズを直接的に反映する開発機能の強化につなげる考え。
生活資材本部の主力は現状、見本帳カーテンOEMだが、インテリア関連は流通の変化で今後の大幅な拡大が難しいことから、設置2年目となるウェルライフ推進部で開発する衛生、介護などヘルスケア関連商材の展開で拡大を目指す。2割程度を占める同分野の売上高を伸ばしていく。クリーン用品、衛生用品、介護関連商品の商材開発を最終製品までの一貫展開を念頭に進める。
クリーン用品は、従来収益基盤とする分野。クリーンルーム用マスクや手袋のOEM供給のほか、自社製品も展開しており、中国で生産したものをフィリピンで洗浄。日本に持ち返る品質管理体制で堅調に推移する。
衛生用品、介護関連商材は、商材と取り組み先を広げる。ファミリーマートと帝人素材を使った共同開発商品を展開しており、ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」使いの家庭用マスクや制汗シートが好評という。今後、商材を広げるほか、こうした取り組み先の幅出しも探る。「帝人の機能素材を軸とした繊維製品で提案する」(矢島一則取締役生活資材本部長)方針。
帝人ブランドの訴求も強化し、軽失禁パンツの自主企画製品「ウェルドライ」の市場シェアを拡大する。超極細繊維を使用した吸水層の仕様が一般的な素材である高吸水性高分子より扱いやすい点を訴求する。介護関連で新商品の開発にもめどをつけ、3月の発表を予定する。
このほか、病院・介護施設などとの取り組みを狙う中で、矢島取締役はニーズの把握を重視する。同本部の部署間連携を深めて情報共有を図りながら既存品の横展開やニーズに応じた開発品を提案する体制を強化する。