新内外綿/「ボルテックス」で糸開発/ユニフォームなど新規用途開拓

2017年02月09日 (木曜日)

 新内外綿は、新規導入した村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」を活用した杢糸開発を加速させている。ボルテックス糸の特徴である高い抗ピリング性などを生かし、ユニフォームなど新規用途の開拓にも取り組む。

 新内外綿は、ボルテックス精紡機を活用した紡績糸として「NAS(ナイガイ・エアー・スピナー)」を開発した。ボルテックスは中国や韓国の紡績も積極的に導入しているため、通常の糸では競争力を発揮できない。このため新内外綿は得意の杢糸やトップ染めメランジ糸をボルテックスで生産することに取り組む。

 粗挽きタイプといった独自性のある杢糸をボルテックスで生産することに既に成功している。人気が高まっている天然由来染料トップ染め杢糸「ボタニカルダイ」のボルテック糸も用意した。ボルテックス糸は通常のリング糸と比較して毛羽が少なくクリアな表面感となり、ハリ・コシ感が出ることから、アウター用途などへも提案を進める。

 ボルテックス糸は抗ピリング性にも優れる。これを生かし耐久性に優れる綿65%・ポリエステル35%混のボタニカルダイもラインアップに加えた。課題だったピリングの問題を克服したことでボタニカルダイによるユニフォームなど新規用途の開拓に取り組む。

 そのほか、糸長方向に色が変化するレインボーヤーンもボルテックスで生産することに成功している。他社にないボルテックス糸をラインアップすることで差別化を進める。これら新開発のボルテックス糸は22日から24日まで愛知県一宮市で開催される糸総合展「ジャパン・ヤーン・フェア」で披露する。