検査機関/中国拠点を再強化/内販対応も拡大へ

2017年03月09日 (木曜日)

 検査機関は中国事業を再強化している。中国から東南アジアやバングラデシュなどに衣料品の生産はシフトしたが、短納期・小ロット生産は中国に依然として優位性があるためだ。アパレルが粗利益率向上を目的に期中発注比率を高める方向にあるのも背景となる。中国では内販対応も強めている。

 カケンテストセンター(カケン)は「インドネシアやベトナムの試験業務は好調」と、東南アジア展開を進めるが、アパレルには中国見直し機運もあり、内販対応を含めて中国の6拠点(上海、南通、青島、大連、寧波、無錫)を再強化する。特に上海科懇検験服務は内販向けの中国人スタッフ担当部長を置いて、内販業務を拡大している。

 東京事業所にはグローバルコミュニケーション(GC)室を設置。海外で衣料品を販売したい顧客に、法規制情報、海外表示指示のほか、定期的に海外内販・法規制セミナーを開く。約50カ国の情報を集めるほか、市場慣習など生きた情報収集のため、現地調査も行っている。中国については、市場情報の提供やGB試験の実施だけでなく、Qコード(企業標準)登録の支援サービスも行う。

 ボーケン品質評価機構(ボーケン)は、中国の上海、常州、青島試験センターの連携を強化する。「これまで“点”での対応を“面”の連携にし、グローバル営業体制を整える。大阪、東京事業所とも情報共有していく」考えだ。東京事業所にはR&A(リサーチ&アドバイザリー)チームを設置し、中国、欧米、韓国、東南アジア地域の法や規制を収集、情報提供する。「提携先の機能を生かして、事業所の特色を出す。運営の現地化や人材教育も進めていく」と言う。

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は「南通には3事業所を設けるが、日本のアパレルの指定工場として業務は満杯の状況」である。「中国アパレルもASEANシフトと国内強化の両方の戦略を進める。品質にも重点を置く企業が増え、現地の中国アパレル開拓も進めていく」方針だ。