シーユーピー/商品開発 “力”入れ直す/別注拡大の反動受け減収

2017年03月10日 (金曜日)

 菅公学生服グループのシーユーピー(岡山市)は本年度上半期(2016年8月~17年1月)、前期に別注が拡大した反動もあって受注が落ち込み、前年同期比で減収だった。下半期に向け田原正彦社長は、「商品開発に対して力を入れ直し、根本的に原点回帰する」と述べ、モノ作りと品質だけでなく、パターンやデザイン力を強化する。

 上半期は前期に別注が大幅に伸びた反動で売り上げが落ち込んだ。しかし、提案件数は減っていない。別注も従来のような定番商品のカラーや生地の変換などでは満足できない状況になりつつあり、より個性を出したり、コーポレートアイデンティティーを反映したりするような細かい対応が増えてきた。

 さらに介護向けの「プロフィーリング」が、介護報酬改定や施設の人手不足、給与引き上げなど「ユニフォームを更新する余裕がない」(田原社長)ことに加え、新規メーカー参入による価格を含めた選択肢の増加によって苦戦した。

 ただ、その中でも「売れている商品はある」のが実情。価格を追うメーカーではないだけに、「求められている商品を出すことができているかというと、確実に出せていない」と指摘する。別注だけでなく、定番商品の基礎力を高め、必要機能や着用状況の変化など基礎データをしっかり持ちながら、パターンやデザインなどてこ入れする。

 展示会も今月15~17日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる介護用品・介護施設産業展「ケアテックス2017」に出展するほか、4月20~22日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開かれる「バリアーフリー2017」にも出展。「関東だけでなく関西へも発信を強める」ことで、市場での認知度を高める。