カケンインドネシア/素材現地化進み試験増加/検品事業も拡大続く

2017年03月23日 (木曜日)

 カケングループ、カケンインドネシアの試験業務、検品事業が順調に拡大している。インドネシア縫製で素材の現地化が加速していることに加え、中部ジャワ地区を中心にインドネシア縫製の競争力も高まっていることがその要因。羽生浩之社長は「ようやく安定的な受注を確保できる前提が整いつつある」と指摘する。

 2016年度は試験業務が順調に拡大した。インドネシアではここに来て新設工場の稼働開始や既存工場の増産が本格化したことに加え、日本向け縫製でインドネシア製生地を使用する傾向が強まる。このため生地・製品の試験も現地で行う動きの加速したことが試験依頼増加となった。

 羽生社長は「インドネシアでの縫製の組み立てが完成されてきたので、これに合わせて試験も安定的に受注できる前提が整いつつある」と指摘。生地・製品の生産は中部ジャワ地区にシフトしているが、カケンインドネシアではソロ、スマランから1日で試験サンプルが届き、1日で試験することで、最短3日で試験結果を出すなど納期対応力への評価が高まっている。

 機能性試験も、スポーツやインナー用途で吸汗速乾性試験が定番化するなど依頼が増加している。最近では撥水(はっすい)性試験の依頼も増加。シャツ地では形態安定性試験の需要が拡大した。このため「進出当初のもくろみからは遅れたが、ようやくカケンとしてのインドネシア事業が軌道に乗りつつある」と話す。

 一方、検品事業でも成果が上がる。中部ジャワ地区への縫製工場移転が進み、インドネシア縫製の競争力が回復していることから衣料品の検品需要が増加傾向にある。15年からグローブの検品を開始し、順調に受注を得ている。カーテンなどインテリア分野の検品も増加した。

 このため17年度に関しても「試験、検品ともに今の流れが続く」と話す。引き続き中部ジャワ地区での工場新設や増産があるほか、インドネシア製生地への転換が一段と進むとみる。こうした需要を確実に取り込むことで事業の拡大を狙う。そのためにも「試験、検品とも納期対応力など精度を上げることを進める」と話す。