「AFF・大阪2017」 4月11~13日(2)/AFF展に強い期待
2017年04月05日 (水曜日)
「アジア・ファッション・フェア(AFF)」展は2003年、「チャイナファッションフェア」として誕生して以来、アジア企業と日本市場とをつなぐ役割を担ってきた。30回目の節目を迎えるに当たり、これまで出展を重ねてきた企業に得られた成果や今後の展示会への期待について聞いた。「九州や北海道でも開催してほしい」との要望や「今後もAFFは市場開拓に欠かせない」といった強い期待の声が寄せられた。
〈南通瑞興服飾/欠かせない中日の架け橋〉
ニット小物メーカーの同社は15年前、中国国内の貿易会社を通じ日本向け業務に参入した。その後対日貿易を学び、日本語人材を採用することで、貿易会社を介さず、直接日本業務を手掛けるようになった。現在は、日本の大手スポーツ・アウトドアブランド、セレクトショップ、カジュアル衣料大手、小売りチェーンなどと取引している。日本向けの年間輸出額はここ数年、400万~500万ドルで推移している。
AFFへの初出展は2011年で、これまでに10回以上出展してきた。ここ数年の出展でカジュアル衣料大手の開拓に成功するなど、大きな成果を得ている。
AFFへの出展効果もあり、対日向けの取扱高は毎年増加し、日本のニット帽子業界で知名度が高まっている。AFFは「成長のために欠かすことのできない中日企業の架け橋」と位置付けている。今年4月の大阪展にも出展。今後も出展を続け、さらに多くの日本の顧客の開拓を目指す。
今後のAFFに期待することは大阪、東京、名古屋に加えて、九州や北海道での開催だ。現在は関西、関東はカバーできているが、「九州や北海道からの来場者はほとんどいない」ことから、両地域での開催を望んでいる。
同社は1997年、江蘇省南通市で設立。南通にある二つの工場の敷地面積は約2万6000平方メートルで、従業員数は250人超。ニット帽、マフラー、手袋、ストール、ネックウオーマー、ニットバッグなどを年間500万セット生産している。主な輸出先は欧米、日本、豪。年間売上高は1500万ドルで、南通地区では最大規模のニット小物メーカーだ。
〈威海泰紡製衣有限公司/日本向けの拡大に貢献〉
ニットウエアメーカーの同社は、2002年に日本とのビジネスの開拓に着手し、これまで順調に拡大してきた。近年の日本向け年間輸出額は約5000万ドル。その成長に一役買ったのがAFFだ。初出展は07年で、これまでに8回出展している。
今年4月の大阪展にも出展し、最新の製品をアピールする予定だ。「日本のアパレルや小売り、商社の方々と直接コミュニケーションをとって、新規開拓を行う重要なプラットフォーム」と位置付け、今後も出展を続けていく方針をとる。
同社は山東省威海市で1999年に設立。敷地面積は2万5000平方メートルの工場に各種機械設備600台強を導入し、セーターなどのニット製品を生産。製品の全てを日本に輸出している。今年4月末には、第2工場(年産300万着規模)を新たに稼働する。
〈南通弘業進出口/優良顧客の開拓の場〉
カジュアルシャツやパンツ、コートなどを手掛けるアパレルメーカーの同社は、AFFに前身のCFFから数えて計13回出展する“老舗出展企業”だ。
日本での初めての顧客はCFFで出会った企業で、同社とはいまだに安定的な取引が続いている。現在の日本の優良顧客の全てがAFFを通じ開拓した顧客という。
AFFには近年、毎年必ず出展している。新規開拓とともに、既存顧客との大事なコミュニケーションの場となっているからだ。日本向けは今後もAFF主体に開拓を続けていく計画だ。
近年の年間対日輸出額は1100万ドル。市場の変化に迅速に対応することで、日本のアパレル市場が低迷する中でも安定的な成長を実現している。顧客は幅広く開拓しており、製品の品種も多様化している。
同社は貿易、金融、文化・健康産業を展開する国営上場企業の江蘇省蘇豪控股集団傘下。江蘇省南通市には150人規模の工場を、ミャンマーには二つの工場を有す。
ミャンマーの第1工場は2014年1月に設立し現在350人体制、第2工場は16年12月の設立で500人体制。今年下半期には、ミャンマー全体で1000~1200人体制にする計画だ。第1工場ではカジュアルシャツ、第2工場ではシャツとパンツ、コートなどを生産。現在第2工場の生産レベルは、ミャンマーの中でもトップレベルだという。
〈アジアの絆強める展示会に/日中経済貿易センター 理事 池田 稔 氏〉
AFF展の初開催時から運営に関わった日中経済貿易センター理事の池田稔氏に展示会の変遷と成果、今後の方向性について聞いた。
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――30回目の節目を迎えます。
今回の節目を迎えられたのは、来場者の皆さま、関係者の皆さまのご支援の賜物と深く感謝しております。節目を記念して今回はささやかながら感謝の小宴を開く予定です。
――出展者やアイテムの変遷について。
中国の繊維・アパレル分野のOEMや自社ブランドを日本市場に向けて紹介するコンセプトは今も変わりません。しかし、初期のAFFと比べると品質をはじめ、ブースの外観、商品の見せ方、出展者の立ち居振る舞いも回を重ねるごとに改善してきました。今では来場者の方が安心してブースで商談できる日本語での対応もほとんどの出展者ができます。こうした内容の充実が、日本の中国からのアパレル輸入額全体のうち実に2割をAFF出展企業が占めるという実績につながっています。本展の特徴として来場客の滞留時間が長いことがデータとしてあります。これは実のある商談が多くあるという証しだと思います。
――今後のAFFの方向性は。
今後もアジア企業と日本市場の期待に応え、アジアと日本のビジネスをさらに活発化させ、ひいては両国の絆を一層強められるように発展させていきたいと考えます。引き続き来場者、出展者が共に満足してもらえる運営に励みます。