AFF・大阪 2017レビュー(上)/アジア繊維産業のいま/「優秀な人材が必要だ」
2017年04月18日 (火曜日)
日本最大級の繊維・ファッションOEM/ODM展示会「AFF・大阪2017」(AFF・大阪)が13日、大阪市中央区のマイドームおおさかで3日間の会期を終え閉幕した。国内の衣料品販売の不振が続く中、出展者の大半を占める中国企業は短納期・小ロット対応や高い付加価値をアピールした。AFF・大阪を振り返る。
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今回展の出展者数は321社で、総面積6000平方メートルの会場に365ブースを展開した。中国大陸からの出展者が全体の87%と大多数を占めた。会場1階には東南・西南アジアから来日した企業35社が集まった。初日は雨でスタートとなったものの、最終日にかけて天候は回復に向かい、会期3日間の来場者数は前年の大阪展に比べ微増の4780人だった。
「コスト競争力より、優秀な人材をいかに集めるかが重要だ」と強調したのは機能アパレルOEMを展開する依美時尚の劉偉総経理だ。売り上げの8割が日本向け。「生産コストで東南アジア勢には勝てない。我々(中国)はモノ作りに特化して日本の高品質、高付加価値のニーズを捉えたい」と話す。軽量・吸水速乾、接触冷感、発熱素材など多彩な機能をアピールし来場者を呼び込んだ。「今年は7種の機能繊維で特許を取得しており、今後も独自の素材展開を強めたい」と話す。
デニム製品を主力とする山東美仕達紡織服装は8割が欧米市場向け。今回は綿素材に加え「テンセル」、レーヨン、スパンデックス混の商材を中心にアピールした。李承潔氏は「強みは生地へのこだわり」とし、「日本向けに花柄の刺しゅうを入れたデザイン性の高いものを用意した」と話す。「当社は高級品しか扱わないので、コストが安い商品とは全く競合しない」と言う。
日本向けに子供服を手掛けるイ坊朝日進出口の担当者は「高い品質とデザイン性の高いものが得意」と話し、「山東省でもよりコスト競争力のある工場で縫製し利益を出している」と語る。「コストは毎年上がるため、難しい経営が続いている。少量生産対応は従来行っているが、顧客からはさらに小口の要望が多い」と話す。