AFF・大阪 2017レビュー(下)/アジア繊維産業のいま/人件費増で難しい“かじ取り”
2017年04月20日 (木曜日)
今回のAFF展に出展した企業の成果はまだら模様だ。「取引につながりそうな新たな顧客に出会えた」という好感触もあれば、「新規の取引先開拓には至らなかった」という声もある。来場客から中国企業に寄せられた要望は、価格の低減に始まり、従来の小量生産のさらなる小口化、品質の向上といった要求が多かったようだ。人件費をはじめとする生産コストが年々上昇する中国で各社、難しいかじ取りを迫られている。
レディースニット製品OEM/ODMの乳山和信製衣(山東省乳山市)の王旭社長は、「新たな顧客を数社、見つけられた」と振り返り、「高品質に加え、山東省でも人件費の低い工場を使って価格でも優位性を打ち出したことが評価された」と話す。
レディースカジュアル、大連藍色天使服飾のベトナム法人L&M VINAの担当者は、「来客数は十分あったが今後のどこまで取引ができるかが重要」とし、「日本側からは価格要求に加えデザイン面での高い感性が求められている」と話した。日本市場については「厳しいがセレクトショップなどで伸びている企業もあり、引き続き主力市場には変わらない」と述べた。
ニットアパレルの青島紡聯服装と機能素材メーカーの青島錦綺匯新材料(青島市)は、共同ブースを構えた。出展の狙いは保温・抗菌作用のあるグラフェン繊維を使ったレディースアパレルの紹介。張維天氏は手応えについて「十分とは言えない」とし、「他の出展者にも手応えを聞いて回ったが既存顧客の訪問がほとんどで、新規の顧客は少ないようだ」と話す。
ニット製品の南通永爾盛服飾は「ブースの場所が寝装分野と近かったこともあり、新たな顧客開拓には至らなかった」と振り返った。「最低受注ロットを一色300枚としているがさらに小口の要望も寄せられている」と話す。「品質と同様、価格要求も厳しく利益の圧迫がされている」
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次回展となる「AFF・東京2017」は9月27~29日、サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で開かれる。「AFF・大阪2018」は2018年4月10~12日に、マイドームおおさか(大阪市中央区)で開催を予定する。 (おわり)