繊維ニュース

2017春季総合特集(68)/トンボ/社長 近藤 知之 氏/来期が一番の勝負の年に/「イーストボーイ」採用広がる

2017年04月28日 (金曜日)

 トンボ(岡山市)は今入学商戦、前年並みにモデルチェンジ(MC)校を確保し、3月単月の売上高は前年に引き続き過去最高だった。2019年6月期に売上高300億円を目標に掲げる3カ年の中期経営計画「アクション300」の達成に向けて、「全力を尽くしていきたい」と近藤知之社長。特にスクールスポーツは2020年の東京五輪に向け競合が激しくなる中、「来期が一番の勝負の年になる」と話す。

  ――繊維事業の半歩先を考えたとき見逃せない状況変化をどのようにお考えですか。

 学生服業界としては、生徒減は避けて通れません。さらに国内の生産キャパシティーも減っていきます。新規に売り先を広げたとしてもモノ作りをどうやって拡大していくかが難しくなっていきます。インターネットなどで販売形態も変わりつつあります。大きく変化していく状況の中でも、地道に商品の良さを訴え、理解して商品を採用してもらうよう努力していくしかありません。

  ――今入学商戦についてはいかがでしたか。

 学生服は、スクランブル(短納期対応の追加サイズの発注)が例年より少なかったものの、3月後半は集中しました。しかし、前年並みにMC校も確保でき、全般的に順調でした。4月には完全に納品できたことで、例年この時期は、休暇がなかった工場も、4月2日は休暇にすることができました。

 スクールスポーツは、競合他社の事業縮小もあり、200校以上の新規校を獲得できました。うち半分は「ヨネックス」ブランドです。キャパシティー不足もありましたが、協力工場の確保、自社工場の生産性向上などで順調に出荷することができ、学生服と同様に4月2日は工場を休暇にすることができました。

 ヘルスケアはコンフォートウエアを中心に販売を伸ばしました。

 第3四半期(2016年7月~17年3月)までは、主力の3事業とも増収を確保しており、全体でも増収は確保できています。3月単月の売上高も前年に引き続き、過去最高となりました。ただ、協力工場の拡大や自社工場の生産効率ダウンなどで利益面は前年並みとなっています。

  ――来入学商戦に向けた動きについて教えて下さい。

 制服のMCのコンペが全体的に時期を早める傾向にあり、3月にコンペを行う学校が増えてきました。新ブランドの「イーストボーイ」の採用も大型物件を含めて数校に決まりつつあります。イーストボーイは女子向けのブランドですが、男子向け詰め襟服や女子向けのセーラー服など、これまで一般の店頭市場でカジュアル制服をけん引してきたイーストボーイにないアイテムも提案していきますが、正統なトラッドファッションのデザイン性を崩さず、おしゃれな制服を供給していきます。

 スクールスポーツは、昇華転写プリントのマーチングウエアが数十校決まるなど、昇華転写プリントに対するニーズが増えてきました。一部の競合企業の事業縮小もあり、市場拡大の余地が広がる中、来期が一番の勝負の年になると考えています。ウオームアップウエアとしての「ピステスタイル」に着目した「ピストレ」や、昇華転写プリントの商品など新しいアイテムを広げていきます。

 2020年に東京五輪もあり、ビジネスチャンスも出てくるはずです。女子バレーボールチームの「岡山シーガルズ」やサッカーの「ファジアーノ岡山」のオフィシャルスポンサーとして、発信力を高めていきます。

 ほかにもアスリートを招き講演と実技指導を行う「ビクトリースポーツ教室」のほか、野球の基本であるキャッチボールを通じて子供たちの心と体の成長を応援する「キャッチボールクラシック」(日本プロ野球選手会主催)にも協賛しています。公益財団法人全日本空手道連盟やNPO法人ソフトボール・ドリームへも協賛しており、さまざまなスポーツへの支援を通じて、自社ブランド「ビクトリー」の認知向上にも取り組みます。

  ――大手間との競合も激しくなりつつあります。

 特に東海地区でMC校の獲得に向けた動きが活発化しています。7月1日付で販社のトンボメイト(名古屋市西区)を支店化します。直接管理していくことで、東海地区での売上高20億円を目指していきます。

  ――通期(17年6月期)の見通しについてはいかがですか。

 期初に想定していた売上高には届かないものの、増収は確保できる見通しです。

 利益面は最初に述べたように、横ばいを見込んでいます。現状の自己資本比率は63%ですが、これをさらに高め、ゆるぎない経営基盤の構築を進めていきます。

  ――今期から3カ年中期経営計画「アクション300」をスタートしていました。

 最終年度の19年6月期に売上高300億円を計画に掲げていますが、しっかり達成に向けて全力を尽くしていきます。

 こんどう・ともゆき 1980年テイコク(現・トンボ)入社。99年営業統括本部販売統括部長、2001年取締役営業統括第一営業本部長、03年常務、10年専務。12年9月社長。

〈思い出の味/やみつきのソースカツ丼〉

 「妻の実家がある新潟に帰ったときは必ず食べるんです」と、近藤さんが“忘れられない味”に挙げるのは、JR関屋駅近くにある「トンカツ太郎分店」(新潟市)のソースカツ丼。義父に連れて行ってもらってから「やみつきになってしまった」とか。特徴はカツが薄く、ご飯とご飯の間に2枚、上に5枚のカツが置かれ、卵でとじず、特製のタレが掛けてあり、値段は1250円ほど。本店のソースカツ丼のカツはもっと分厚いそうだが、分店のカツはミラノ風カツレツで、「おいしくて食べやすい」と言う。「新潟へ機会があっていく場合は、ぜひ食べてみてほしい」と、まさに近藤さんイチ押しのソースカツ丼だ。