明石スクールユニフォームカンパニー/制服価値高め、MC校獲得へ/「無理な競争しない」

2017年05月09日 (火曜日)

 学生服製造大手の明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)は来入学商戦に向け、制服価値の向上に取り組みながら、モデルチェンジ(MC)校の獲得につなげる。柴田快三常務は「無理な競争はしない」と述べ、価格競争に巻き込まれないようにするとともに、「制服を売るだけでなく、学校に対して役立つこともしていく」と学校関連サポート事業の創出も視野に入れる。

 今入学商戦、学生服のMC校の獲得は前年並みで推移した上に、制服を供給していた学校を他社に取られる喪失校が少なく堅調に推移した。2015年6月に製販分離の新体制となって以降、システムを改善し、営業から生産・物流までの一連の流れの“見える化”を図り精度を高めてきたことで「計画通りMC校の獲得を進めることができた」(柴田常務)と言う。

 来入学商戦に向けては、制服の新しい取り組みとして15年にPRキャラクターを採用した。学生服のユーザーへより身近な存在として制服をアピールするほか、「アイデアを出しながら販売での相乗効果につなげる」取り組みを継続。AKB48グループの衣装制作などを手掛けるオサレカンパニー(東京都千代田区)との共同企画の学校制服「O.C.S.D」では、公式ブランドサイトを今年1月にリニューアルした。実際に制服を導入した学校の事例を発信することで、MCを想定する学校に対して関心を高める。

 店頭向け商品では着心地の良さを向上させた「スマートワン」や、ニット生地使いの「ラクラン」といった詰め襟服を中心に、独自性の高い商品が好評。商品そのもの価値に加え、企業を含めた「全体の価値を高める」動きを模索する。

 中高の新入学生は来年、前年に比べ6万人も減る見通し。「危機感を持っている」(柴田常務)ことから、制服の販売だけでなく学校をサポートする新たな事業創出も検討しており、具体的には今年6月頃に発表する予定。その一例として昨年、「高校生手話パフォーマンス甲子園」に協賛し、PRキャラクターを活用しながらイベント時の大会のPRなどさまざまな支援を実施した。今後も継続していく予定で、新たな方法で学校との関係強化に努める。