17年3月期

2017年05月15日 (月曜日)

〈構造改革で減収も増益/ユニチカ〉

 ユニチカの2017年3月期連結決算は売上高1262億円(前期比13・8%減)、営業利益125億円(20・0%増)、経常利益104億円(53・7%増)、純利益73億円(6・6%増)だった。

 繊維事業は売上高555億円(15・1%減)、営業利益19億円(21・8%増)だった。産業繊維はポリエステル高強力糸で高付加価値品へのシフトや需要回復で収益が増加。ポリエステル短繊維は構造改革による売上高減少も収益は確保した。衣料繊維はユニフォームが堅調に推移し、レディース分野もヒット商品があった。スポーツや寝装、インナー、デニム輸出は振るわなかった。

 今期は連結売上高1310億円(前期比3・8%増)、営業利益107億円(14・7%減)、経常利益73億円(30・4%減)、純利益49億円(33・7%減)を見込む。

〈繊維は微減収増益/ダイワボウHD〉

 ダイワボウホールディングスの2017年3月期連結決算は、売上高が前期比6・8%増の6178億円、営業利益が27・4%増の126億円、経常利益が29・9%増の125億円、純利益が41・8%増の74億円だった。

 繊維事業の売上高は、0・7%減の655億円で、営業利益は3・3%増の29億円となった。合繊部門では、アジア向けの衛生材用途や米国向けの建材用途など海外市場を中心に原綿が堅調に推移し、不織布も、制汗・除菌関連やコスメ分野のフェースマスクの販売が拡大した。レーヨン部門では、衣料用途の機能性原綿の販売が伸び、不織布用途ではグループ協業の進展による新規需要開拓が進んだ。樹脂加工部門では、帆布関連の売り上げが伸び、機能製品部門でも土木資材関連やフィルター商品群の国内向け販売が堅調に推移した。

 衣料製品部門では、海外生産拠点を活用した企画提案型のカジュアル製品販売の推進が収益に貢献。インナー製品販売も、機能素材・加工を活用した高機能製品の新規市場開拓も進み拡大した。ブランド製品では、子供向け、スポーツ向けの新規販路開拓や専門店への拡販が進んだ。リビング製品も、寝装向けの高機能製品の受注が増加した。

〈大幅増益も繊維は減益/富士紡HD〉

 富士紡ホールディングスの2017年3月期連結決算は、売上高が前期比7・2%増の408億円となり、営業利益は88・1%増の68億円、経常利益は90・0%増の70億円、純利益は44・1%増の43億円となった。

 繊維事業の売上高は前期比11・4%減の125億円、営業利益は36・0%減の1億6900万円だった。インターネット、TVショッピングなど新規チャネルでの販売は拡大し、「BVD」ブランドのレディース商品、OEM製品・共同開発商品は堅調に推移したが、繊維製品全体では、既存チャネルの量販店、百貨店で売上高回復に至らなかった。ただ、百貨店向け商品を中心とした大幅な在庫削減による物流費の低減や、国内外自家工場の設備規模適正化による総合的なコストダウン、採算性の高い製品へのシフトなどの構造改革は進んだ。

〈増収増益も繊維事業は減収/オーミケンシ〉

 オーミケンシの2017年3月期連結決算は、売上高139億円(前期比6・5%増)、営業利益17億円(801・0%増)、経常利益15億円(前期は2億800万円の損失)、純利益1億4600万円(同1億200万円の損失)と増収増益だった。

 繊維部門は、テキスタイル事業やブラジルの連結子会社が前期比で減収減益となり、全体でも売上高94億円(13・5%減)と減収、営業損失6億6200万円(3億1500万円の営業損失)となった。ブラジルの連結子会社であるオーミ・ド・ブラジルテキスタイルは16年11月末に事業を停止。事業撤退損3億5400万円を特別損失して追加計上した。

 今期は、売上高100億円(前期比28・6%減)、営業利益6億円(66・3%減)、経常利益3億円(80・2%減)、純利益2億円(36・1%増)を見込む。

〈増収増益に/ゼット〉

 ゼットの2017年3月期連結は売上高が403億円(前期比4・4%増)、営業利益2億9300万円(前期は2億7200万円損失)、経常利益3億6400万円(同経常2億円損失)、純利益2億8200万円(同2億2600万円損失)の増収増益だった。(短信既報)

 堅調に推移した卸部門では、前期まで厳しい状況が続いていた野球、ソフト用品(2・9%増)が、「プロステイタス」などのハイグレードシリーズが順調に販売を伸ばしたほか、女子硬式野球市場拡大に向けた販売促進活動を強めたことなどが奏功した。

 さらにアウトドア関連を含む「ライフスタイル」(18・2%増)、健康志向を背景にテーピングやサポーターなどの販売が進んだ「ボディケア」(7・4%増)が増収に貢献した。全体の構成比の4分の3を占める「アスレチックス」は2・0%増だった。

 今期の連結業績は売上高390億円、営業利益1億円、経常利益1億5000万円、純利益9000万円を予想。

〈減収も経常増益/日鉄住金物産〉

 日鉄住金物産繊維事業の2017年3月期連結決算は売上高1608億円(前期比8・6%減)、経常利益54億円(27・0%増)と減収ながら大幅増益となった。(短信既報)

 単体は下期を中心に、防寒衣料の低迷で減収を余儀なくされた。一方で、円高効果による原価低減があったほか、ロス低減や業務改善などの全社的な取り組みが奏功し収益力が高まった。

 製品ODMを主力とする事業会社も健闘した。エスビープラニング、サンペックスイストが堅調。エスビーリビング、ファッションネット、スミザックが前年の実績を上回ったという。