菅公学生服/ソリューション事業拡大へ/“競争の土俵”変える

2017年05月15日 (月曜日)

 学生服製造最大手の菅公学生服(岡山市)は、来入学商戦に向け、学校教育のサポートなどソリューション事業の拡大を進める。異業種も交えながら学校支援の要素を含んだ総合展示会「カンコーソリューションフェア」を今年は九州で開催予定。ソリューション事業を広げ、“競争の土俵”を変えることで、競合が激しくなる制服市場での存在感を高める。

 今入学商戦は、モデルチェンジ(MC)校の獲得が順調だった。2013年から新商品などを披露する総合展をカンコーソリューションフェアとして刷新し、異業種との連携など含めて教育現場が抱えるさまざまな課題のソリューションを総合的に支援する形にしたことで、年々学校関係者の来場が増加。10年前に比べて来場者が倍増していることもあり、MC校獲得の拡大に貢献した。

 「求められるニーズに対して、戦略的に動けるようになってきた」(問田真司常務)ことも奏功。昨年8月、学生服流通大手の日本メンモウ(東京都中央区)が、「東京菅公学生服」に社名を変更、協力関係を強め、より一体となった企業運営を進めたことで、首都圏でのMC校の獲得が増加。13年から進めてきた営業拠点の分社化でも「エリアに応じた戦略と地域に密着した活動」(問田常務)によって、九州では例年以上にMC校を獲得できた。

 来入学商戦に向けては、学校の教育ソリューション事業に対するニーズを掘り起こし、寡占化する制服市場の中で、「“競争の土俵”を変えることで、新たな事業の幹を太くする」(岩井聡開発本部副本部長)考え。カンコーソリューションフェアは、これまで毎年10~11月にかけ東京、大阪で開いてきたが、15年から名古屋、今年は新たに九州の福岡でも開催を予定する。

 昨年、学校教育のサポート事業を本格化するため、カンコー教育ソリューション研究協議会を設立、学校からの反響は多く、「ニーズを感じている」(問田常務)と言う。今年3月には10年ごとに改定される学校指導要領が公示され、学校としての新たな悩みが出てくる中、「当社にとって支援できる部分がどこかにある」(岩井副本部長)との見方から、キャリア教育をはじめ、これからのソリューション事業の形を模索する。