東レ スポーツ素材/動きの中での快適性を/ライフスタイルへの展開も
2017年05月26日 (金曜日)
東レのスポーツ・衣料資材事業部は、スポーツ素材で従来のハイスペックな機能性に加えて、運動状態での快適性を追求した商品開発・提案を重点的に打ち出す。18秋冬に向けて透湿防水素材「エントラント」に高通気タイプを用意したほか、ストレッチ素材の総合ブランド「プライムフレックス」のバリエーションを拡大した。高吸湿ナイロン素材「モイストプラス」も衣服内の快適性向上機能を前面に打ち出す。
スポーツ素材はスペック競争が激化しているが、東レではトレイルランニングやバイクなど新たなスポーツを視野に、運動中の快適性にも重点を置いた素材提案を進める。その一つとしてエントラント高通気タイプを用意した。従来の透湿防水生地は着用したまま運動すると衣服内が蒸れやすいという課題があったが、エントラント高通気タイプは透湿防水性と通気性を両立した。
防水性も耐水圧2000~3000ミリH2Oを確保する。これは防水素材のボトムで濡れたベンチに座っても水がボトム内に侵入しないレベルの防水性という。こうした快適性を生かし、本格スポーツ用途のほか、スポーティーカジュアルなどタウンユースといったライフスタイル分野への展開も狙う。
プライムフレックスもスポーツだけでなくタウンユースへの普及を進める。新たに極細繊度糸使いのスーパーマイクロファイバータイプを開発した。よりエレガントな風合い・生地表情が可能になり、レディース向けへの提案も進める。そのほかナイロンバイメタルタイプ、蓄熱保温タイプ、ワープニットタイプなどバリエーションも充実させた。
モイストプラスは運動時に衣服内の湿度を引き下げ、蒸れ感を抑える機能を実験で確認した。これを生かしてスポーツインナーや中わた衣料の裏地など新たな用途提案を進める。
このほか、ノンコーティングの撥水(はっすい)・耐水・透湿素材「H2OFF」を改めて打ち出す。スポーツからタウンユースの中わた衣料、コート、ジャケットなど幅広い用途に提案する。スパンデックス「ライクラ」使いのストレッチ素材「プライマリスト」もライフスタイル用途に適したナチュラルな風合いを訴求する。
これら素材は今日26日まで東レ大阪本社(大阪市北区)で開催している「2018秋冬東レスポーツメッセージ展」で披露した。31日から6月2日まで、東レ東京本社(東京都中央区)でも開催する。
〈中わたブランド「トレロフト」登場〉
東レはこのほど、中わた素材のグローバルブランドとして「トレロフト」を立ち上げた。不織布事業部が中心になって開発・生産する。第1弾としてストレッチ機能を持つ中わた素材「トレロフト―ST」を打ち出し、スポーツ・衣料資材事業部が中心になって提案を始めた。今後も商品バリエーションを順次拡大する。