合繊スポーツ素材/ハイスペックから快適へ/ニット素材の重要性も高まる
2017年06月09日 (金曜日)
合繊メーカーによる18秋冬スポーツ素材の提案がピークを迎えている。ギアだけでなく、ここ数年のトレンドであるアスレジャーやタウンユース、スポーティーカジュアルへの提案が一段と鮮明になった。このため、素材に求められる特徴もハイスペックな機能に加えて快適性や意匠性が前面に出る。ニット素材の重要性も一段と高まった。
東レはグローバルブランド戦略を再構築している透湿防水素材「エントラント」で新たに高通気タイプを投入した。透湿防水素材は従来、透湿防水性能を競うスペック競争が主流だったが、どうしても通気性の低さによる蒸れ感などが残り、アスレジャーやタウンユースでは問題となる。このため実用的な透湿防水性を維持しながら、アスレジャーやタウンユースで必要な通気性を確保することで用途の拡大を狙う。
ストレッチ素材の総合ブランド「プライムフレックス」のバリエーションも拡大。スーパーマイクロファイバータイプを開発した。よりエレガントな風合い・生地表情が可能になり、レディース向けへの提案も進める。そのほかナイロンバイメタルタイプ、蓄熱保温タイプ、ワープニットタイプなども用意する。
東洋紡STCは実績のあるナイロン高密度織物「シルファイン」のバリエーションを拡大。ハードタッチやシワ加工、杢表現など意匠性を高めた。スパンデックス非使用のポリエステル100%ストレッチ素材「テクニスタ48」や高密度ニット「アクセンシャルゼブラ」もスパン調の表情を重視する。アクリレート系繊維使いによる高吸湿素材「ウェアコン」も開発。湿度が50%を超えると急激に吸湿性が高まる機能があり、衣服内の蒸れを抑える効果が期待できる。
旭化成アドバンスは透湿防水素材のベースナイロン素材として「レオナES」を市場投入する。独自の特殊ストレッチ加工にさらに改良を施すことで、従来のメカニカルストレッチ品と比べて、高い伸長性と優れたストレッチバック性を実現している。
アスレジャーやタウンユースを視野にニット素材の重要性も高まった。高バランスニット素材「デルタ」がヒットしている帝人フロンティアは、新たに「デルタフリーモ」を開発。デルタに使う高捲縮(けんしゅく)・微細クリンプのかさ高糸を表裏に使用し、中間につなぎ糸と高捲縮糸を挿入した特殊な4層構造とすることで反発感とデルタのソフトな風合い、スパン調の外観を実現した。
東洋紡STCも実績のあるポリエステル・ウール長短複合紡績糸「マナード―W」をスポーツ用編み地に初めて投入する。表と裏で4倍のゲージ差を可能にするダブルフェースジャージー「クォーターフェイス」を新たに打ち出した。
スポーツ素材にとって量的拡大を図るためにはアスレジャーやタウンユース、スポーティーカジュアルの重要性は大きい。このため通気性や吸湿性、ストレッチなど快適性に焦点を当てた機能の重要性が一段と高まった。




