大垣扶桑紡績/20年度 営業利益倍増へ/用途、商流など領域拡大

2017年06月12日 (月曜日)

 東レの紡績子会社である大垣扶桑紡績(岐阜県大垣市)は、2020年度(21年3月期)の営業利益で16年度実績比倍増を目指す。そのために主力の学生服やユニフォーム向けの賃紡にとどまらず、用途、商流など事業領域を広げる。その一環で商品開発の強化や老朽化設備の更新など省人・省力・省エネルギーに向けた設備投資も積極化する。

 事業領域の拡大では例えば通販アパレルと組んだアクリル混インナー向けの開拓や資材分野の探索も狙う。隅田毅社長は「当社が気付いていない用途はまだまだある」と強調。来年開催される「ジャパン・ヤーン・フェア」に初出展し、新用途・新商流の開拓につなげる。そのためにも若手メンバーを中心とする開発チームによる商品開発を強化する。

 設備更新も積極化する。これまで思い切った投資を行っていなかったため「設備が老朽化している」。16年度からは大きな設備投資を実施しており、品質改善、効率化などにつなげる。同時に従業員のレベルアップを図り、1人当たりの生産性を高める。

 同社は03年、大垣紡績と扶桑紡績が合併し現社名に改称し、現在に至る。大垣工場(岐阜県大垣市)、扶桑工場(愛知県扶桑町)2工場体制で、2、3、4インチの紡績設備を保有する。ポリエステル・ウール混紡糸は国内生産の6割強を占める大手で、大垣工場は2万1960錘、月産108トン(17年度)の規模。合繊100%紡績糸や混紡糸を生産する。扶桑工場は1万4520錘、同94トンで、色糸やアラミド繊維の紡績糸などを生産する。16年度業績は減収減益となったが、17年度は合併後の過去最高益を計上した15年度並みを計画する。

〈異繊度、異繊維長を複合/梳毛と紡毛ハイブリッド〉

 大垣扶桑紡績は梳毛用と紡毛用の原毛をハイブリットしたウール高率混(ウール90%・ナイロン10%)の新紡績糸「REVOL(レヴォール)」を開発した。2~4インチの紡機を持つ強みを生かすとともに前紡工程と仕上げ工程を工夫。混打綿技術により混紡むらを抑え、新技術「ノーカットウール方式」により、チクチク感を軽減し、商品化した。

 レヴォールは異なる繊度、異なる繊維長の原料をミックスすることでソフトな風合いを持つ。糸種は24番単糸、30番単糸をラインアップし、需要家の要望に応じて混紡率・番手は変更可能とする。さらに色糸展開も検討する。

 レヴォ―ルに加え、リサイクルポリエステル短繊維と、ノンミュールジング(子羊の臀部の皮膚と肉を切り取らずに育成した)羊毛を使用した環境配慮型ポリエステル・ウール混紡糸も新素材としてラインアップする。