特集 カーテン(1)/オーダーカーテン再考
2017年06月29日 (木曜日)
〈オーダー小売り競争激化/内装ルート営業力アップ〉
インテリア製造卸の2016年度決算は、サンゲツが7期連続の増収、純利益が2期連続の最高益、東リも純利益が2期連続で最高益となるなど好業績が目立った。しかし、カーテン事業は東リ、サンゲツ、スミノエ、川島織物セルコンなど多くが軒並み前期実績を下回った。病院・福祉施設といったコントラクト用途は健闘したものの、住宅用が苦戦。10%前後落とした製造卸も見られた。倒産したメーカーもあった。
国土交通省によると、16年の新設住宅着工戸数は前年比6・4%増の96万7237戸と2年連続増加した。このうち持ち家が3・1%増の29万2287戸と3年ぶりの増加、貸家が10・5%増の41万8543戸と5年連続の増加、分譲住宅が3・9%増の25万532戸と2年連続増加した。
数字から見ると、16年は決して悪い環境ではなかった。ブラインドやシェード、ロールスクリーンのメカものに流れている面もあるが、商流が変化している点が大きいと考えられる。
オーダーカーテンの商流は、小売店ルートと内装ルートに大きく分かれる。
小売店ルートでは、家具・インテリア大手のニトリの台頭が著しい。業界筋によると、ニトリが目標とする年間販売額100億円が射程に入ってきたと言う。これまで既製はニトリ、オーダーはカーテン製造卸などとある程度住み分けができていたが、ここ数年でその構図が急激に崩れている。製造卸が商品を卸す専門店や百貨店、家具店のシェアを奪っている。
一方で健闘するカーテン専門店などもある。関西を地盤にするデコーレの2018年1月期上半期はここまで、オーダーカーテンが前年同期比8・6%増で推移する。高付加価値のカーテンが消費者に選ばれている形だ。
関東圏でもある百貨店にニトリが出店したが、百貨店のオーダーカーテン販売も伸びている。見比べた結果、プロによるカウンセリングの良さを改めて実感するという。商品力に加え、販売面を含めていかに差別化していくかがポイントになる。
ハウスメーカー向けの内装ルートは、製造卸の見本帳ビジネスの大きな柱になっている。同ルートではサンゲツが4月に設立したカーテン専門販売子会社、サンゲツヴォーヌが注目される。インテリアコーディネーターを擁する住宅メーカーへの販売を強化し、同分野のカーテン採用率を高める狙いで、従来の代理店まかせではなく、もう一歩踏み込んだ形と言える。
さらにハウスメーカー向けに特化した専用見本帳は比較的堅調とされる。値下げ販売が常態化した通常の見本帳をハウスメーカーが嫌がる面があり、ほかの用途で売れないリスクを製造卸がとれるかが分かれ目になる。
〈東レ合繊クラスター/衣料の加工で風合い付与/手触り楽しめる商材充実〉
東レ合繊クラスターは、衣料向けの加工などを取り入れたカーテン生地の開発を加速している。カーテンに風合いを求める傾向が強くなっているためで、ビンテージ感を付与したタイプの商品化を済ませるなど、「手触りが楽しめるカーテン生地のラインアップが増えた」(東レ合繊クラスター)としている。
カーテン生地に用いているのは、小松精練のSY加工(ヴィンテージ加工)。元々レディースのワンピースやブラウスなどを中心に施されていた加工で、トップブランドなどでの採用実績もある。ナチュラル感や洗い感、天日干しのような風合いを有したカーテン生地が表現できる。
同社のデジタルプリントファブリック「モナリザ」の応用も図られている。1670万色という豊富な色数とそれをコントロールする高度な技術によって鮮明なプリントを実現するもので、「シワの表現をはじめ、ファッションのトレンドに合致した打ち出し」(東レ合繊クラスター)を可能にしている。
今後もアパレル向けで展開していた技術や技法の活用を増やすと同時に、ファッションのトレンドを加味することで新たな潮流を生み出す。さらに、テーブルクロスや小物入れなどに用途を広げていくほか、アパレル分野へのカーテン用素材(糸、生地)の提案にも力を入れる。
〈17年5月期増収増益/オリジナル品比率高まる/インテリックス〉
オーダーカーテン製造小売り兼卸のインテリックス(和歌山市)の2017年5月期は、売上高が前期比12・0%弱増の31億円、経常利益が76・2%増の2億3500万円で着地した。1990年の同社創立以来、過去最高の収益となった。
均一価格のオーダーカーテンを販売する「ジャストカーテン」の既存店は微増収だった。さらに高橋ふとん店(徳島県松茂町)とパートナーショップ契約を締結し、2月から高橋ふとん店の川内店(徳島市)に併設して、「ジャストカーテン ふとんのタカハシ徳島川内店」を開設するなど、取り扱い店を増やしている。
増益要因としては、生地を含めたオリジナル品の比率が高まっており、益率が上がっている。デザイナーを含めた商品部の充実が奏功した。
ただ今期以降については楽観視していない。木村明人社長は、20年の東京五輪や消費増税、国内世帯数減少に触れて、「19年がピークになる。それ以降を見据えて手を打つ必要がある」と強調する。
同社では15年に縫製工場(延べ床面積1439平方メートル)、17年に物流機能を兼ねた縫製工場(同5488平方メートル)を設け、月産能力を50万平方メートルに拡大した。さらに特殊な縫製機器も導入して高付加価値品に対応。点在していた物流施設も集約化して効率化を図る。




