「第41回東北アパレル産業機器展」盛況/縫製産地で地域密着発信
2017年06月30日 (金曜日)
第41回目となる「東北アパレル産業機器展」(東北六県縫製団体連合会主催)が6月10、11日に岩手産業文化センター「アピオ」で開かれた。初日の午前中は雨に見舞われたが2日で約3700人が来場。開催が土・日曜日だったこともあるが、業務改善のヒントを探す熱意と期待が会場へ足を運ばせたようだ。
3600平方メートルのアリーナに大型機器がズラリと並ぶ。島精機製作所は延反からピックアップ、デザインまで一貫の全自動システム「シマ・カッティング・ソリューション」を提案。会場では積層式自動裁断機「P―CAM161」、自動ラベリング装置「P―LAB16」、自動延反機「P―SPR2」、3Dデザインシステム「SDS―ONE APEX3」の実機を出展した。
AGMSはインクマーカーを搭載した積層タイプ自動裁断機、プリント生地の柄の輪郭を瞬時に認識して裁断するレーザー裁断機を展示。積層タイプ自動裁断機「AK―A」シリーズは全長5・4メートルの標準モデルに代わり3・4メートルのショートタイプを展示。小さなのぼりやワッペンなどの裁断向き。
ペガサスミシン製造は「W3600P」シリーズ、自動車内装材業界などで注目されている「TML」シリーズをプロモート。機器のほか支援ツールとして「デジタル作業分析システム」「検査管理システム」を紹介。作業分析システムは動画によって動作分析や作業改善、技術の伝承にまで生かせる。検査管理システムは不良内容を手書きに代わってタブレットPCを活用することで業務の改善と効率化につなげる。
ブラザー工業は「NEXIOシリーズ」から「電子送り本縫ダイレクトドライブ自動糸切ミシンS―7300A」「ダイレクトドライブ プログラム式電子ミシンBAS―Hシリーズ」を押す。S―7300Aは世界初のデジタル送り機能を搭載、BAS―Hシリーズは速度と省電力も売り。IoT(モノのインターネット)に対応した技術力を印象付けた。
JUKIはアパレル、ニット、ノンアパレル、ノンソーイング、家庭用の各コーナーで最新商品を出展。「DDL―9000Cシリーズ」「AMS―251」、「AMS―224EN4530R/AW3」などの実演を行い、人だかりができた。
ベビーロックは独デュルコップアドラー社のミシンを紹介。全自動の鳩目穴かがりミシンやタッチ操作パネルを実装した新機種は「海外メーカーでも使いやすい」と好評だった。
オルガン針は樹脂縫製に特化した「RSシリーズ」を出展。針先端部、針先シルエット、そして針の強度が特徴。針の先端部分が同社の標準針と比較して短く鈍角に設計されており、ループの形成を阻害し、目飛びと上糸切れの原因の一つとなる「樹脂の輪」トラブルを解消する。
〈消費不振、人材不足/解決のヒント探す〉
ハードウエアの性能向上に加え、システムやソフトウエアの提案も年々充実してきている。東レACSはアパレルCADソフト「クレアコンポⅡVer・4」を中心に縫製工場向けの商材をそろえた。クレアコンポⅡは直感的なパターンメーキング機能でパターン作成、グレーディンク、マーキングといった工程の効率化をサポート。「XiFormMagic(サイフォームマジック)」は縫製業務でワンランク上の業務改善を提案する「アパレルPDM」機能を搭載。工程分析や裁断進捗(しんちょく)管理に活用できる。
3月の大阪ミシンショーから「セミ・オーダーソリューション」の提案を強化している。クレアコンポⅡの「パターンマジックⅡ」「グレーディングマジックⅡ」などのシステムを基盤とし、自動処理システム、「デジタル・トワル」、仕様書システムからユーザーの課題解決に必要なツールを組み合わせて提案する。デジタル・トワルは型紙と3Dデジタルボディを使い、仮想的にトワルチェックを実現するものだ。
アパレル向けに特化したソフトウエアを展開するアベイルは、8月にリリース予定の新バージョン「経営改革21+(プラス)」を紹介。経営改革21はアパレル工場・生産管理会社専用に開発されたソフトで業界最大シェアを誇る。受注管理・生産計画・外注発注管理・生産進捗の生産に関する管理のほか、販売・請求・仕入・支払・在庫管理まで、工場管理に必要な販売管理機能を網羅する。
新バージョンでは重衣料向けの機能を強化、生産・仕入れ・売り上げ・在庫管理の生産管理の各種機能を拡充させるという。産地や各地の工場の業務を支援していく。
アパレルCADのユカアンドアルファは新型CADを搭載した「myuファクトリープラン」、スケジュール管理「ファクトリーマネージャーWEB」、パターン作成自動化機能「パターンレコーダー」を紹介。パターンレコーダーはパターン作成作業を自動で録画、「実行」「編集」機能により、次回からの作成時間を数十秒に短縮できるという。アパレルCAD「アルファmyu」に搭載し7月発売予定。
「エンドユーザーとメーカーが年1回、意見を交換できる貴重な機会。今年も収穫があった」と岩手モリヤの森奥信孝社長は話す。今回は大型バスをチャーターして社員約50人と訪れた。「現場の社員が自分で見て触れて、日ごろ困っていることをメーカーの担当者にぶつける。即業務に役立つ知識や情報が得られるメリットは大きい」(森奥社長)と手応えは十分。
今年5月に独フランクフルトで開催された「テックスプロセス」を視察した森奥社長。最先端のIoT技術に大いに刺激を受けて帰国した。「ファッションの市況が良くない今、縫製工場は少しでも良いものを作り、売れるときに売れるものを作る体制を整えておかなければならない」という意識を新たにしている。その上で「労働人口が減少していく将来、企業として技術を守り、人材を育てるための投資と実践は不可欠。国内外の展示会で得た知見を生かしたい」と話す。




