素材・縫製一貫事業拡大/東レ、香港ニッターに出資/590億円投じグループ化
2017年07月04日 (火曜日)
東レは6月30日、香港の丸編み・染色大手、互太紡織控股(パシフィック・テキスタイルズ・ホールディングス)の発行済み株式の約28%を約590億円で取得すると発表した。持ち分法適用会社にする。「ユニクロ」向けなどで実績のある糸・わた/テキスタイル/縫製品の一貫型ビジネスを拡大するのが狙い。
互太紡織は、同業大手、香港福田実業の元役員らが1997年に創業、急成長し10年後に香港証券取引所に上場した。中国広東省番禺とベトナム・ハノイに工場を持つ。2017年3月期には1億5580万ポンドのニット生地を販売し、売上高59・94億香港ドル(約837億円)、純利益9・57億香港ドル(約140億円)だった。期末従業員は5267人。
生地の販売先内訳は、ベトナム43%、中国本土18%、スリランカ7%、ベトナムを除く東南アジア6%、アフリカ5%、ハイチ3%、インド1%などとなっており、日欧米などの有力SPA・アパレルに採用されている。
東レは董事局(取締役会に相当)に経営管理担当として1人を派遣するが、尹惠來主席兼行政総裁をトップとする経営陣は変わらない。
解説 東レ繊維事業は中期経営課題の最終年度である19年度に売上高1兆1200億円、営業利益920億円の数値目標を掲げる。今年度はそれぞれ、9250億円、760億円を見込むが、ハードルは高い。その達成に向けた重要テーマの一つが素材・縫製品一貫型サプライチェーンの拡充である。
糸・わたは合繊メーカーの本業。縫製は商事子会社の東レインターナショナルが中国、ASEAN地域、バングラデシュに多くの工場を持ち、昨年からアフリカでの生産も始めた。しかし、川中に位置するテキスタイルでは、中国、タイ、インドネシア、マレーシアに自家工場がある織物に比べ、ニットが弱かった。
互太紡織への資本参加により、グループ内に強力な丸編み拠点を抱え、それを補うことができる。今後は「ユニクロ」向けで培ったノウハウを生かして、互太の既存顧客である欧米のSPA・アパレルへの縫製品ビジネス開拓が課題になる。




