TFR「ソロテックス」/採用ブランドが販売好調/コト提案で拡販に効果
2017年07月10日 (月曜日)
帝人フロンティア(TFR)はファッション衣料用戦略素材「ソロテックス」の拡大で、コト提案による取り組みを広げている。ソロテックスの特徴を生かす素材・製品企画のブランディングがバッグブランドのパッカブルウエア企画に採用、好調な売れ行きで17秋冬以降の取り組みも継続する予定。今後はアクティブスーツ企画の訴求も強める。
人気バッグブランド「バッハ」がベイクルーズグループの「ジャーナルスタンダード」業態と共同で企画した「バッハ ガーメンツ」で、ソロテックス使いの定番高密度タフタが使われた。同業態23店舗で販売されたアウターを中心に良好な店頭消化を示し、17秋冬で新たな生地開発や中わた商材向け側地での採用など深掘りを進めている。
ソロテックスの特徴を生かした素材、製品企画「パック・イット」のブランディングが実を結んだ。形状記憶・回復機能による、海外出張、旅行、アウトドアなどの用途に合う、パッカブルウエア向けの提案がバッハ ガーメンツの企画方針と合致した。「長繊維ながらナチュラルなシワ感を生む素材の特徴も受けた」(TFR)とみる。
パック・イットが高い店頭消化につながったことで18春夏では取り組み先の拡大も期待する。
同様の素材・製品企画として「ムーブ・イット」も訴求している。ストレッチ性、キックバック性で自主基準を満たす素材を織物や布帛調丸編みでそろえ、動きやすさを付加価値にする重衣料向けを開拓する。スポーツアパレルの自転車通勤スーツ企画や百貨店アパレルブランドでの採用を少しずつ増やしているという。
素材の機能面を発揮できる製品企画を、マーケティング面を強化して検討して続ける考え。ソロテックスも別の特徴を訴求できる打ち出しを増やす。