村田機械〈上海〉/自動ワインダー内販が堅調/ボルテックス機は新規開拓へ

2017年07月18日 (火曜日)

 【上海支局】村田機械〈上海〉は、自動ワインダー「QPROプラス」の内販が堅調だ。綿紡績企業からの引き合いが強まっている。もう一方の柱の「ボルテックス精紡機」は、昨年絶好調だったが曲がり角を迎えつつあり、今後は新規開拓に注力していく。

 優勝劣敗が鮮明になる綿紡績業界では、好業績企業の設備投資が活発化している。人件費高騰により、勝ち組が自動機による少人化を進めており、QPROプラスへの引き合いも強まっている。営業本部繊維機械事業部紡機部の吉井淳経理は「需要が急拡大することはないだろうが、当面は安定した受注が期待できる」と話す。

 一方、ボルテックス精紡機の販売は、認知度向上とともに昨年から大幅に伸長していた。昨年1~6月は前年同期に比べ3倍弱に拡大。今年上半期も前年同期を上回った。

 ただ、主要顧客のレーヨン紡績の業績低迷により、先行きの不透明感が増している。昨年国家備蓄綿花の放出を背景に原綿価格が安定したことなどにより、レーヨン素材の価格が綿素材を上回る“逆転現象”が生じた。これにより、アパレルブランドなどの需要家の綿糸採用が旺盛になり、レーヨン素材がそのあおりを受けている。レーヨン紡績の業績は春節(旧正月)明けから悪化しているという。

 こうした中、ポリエステルや綿紡績の新規顧客の開拓を重視し、ポリエステルやポリエステル・コットン混紡の新しい糸の開発と、その提案に乗り出している。