ダイワボウノイ/上半期、微増収増益へ/下半期は新商流構築重視

2017年07月31日 (月曜日)

 ダイワボウノイの今年度上半期(4~9月)業績は、微増収増益を見込む。ただ下半期は、国内の衣料品市場が低迷しているため「厳しくなる」と斉藤清一社長は予想。既存事業を維持しつつ、開発をスピードアップし新商流を構築する方針を示す。

 上半期の微増収要因の一つは、中国の関連会社、蘇州大和針織服装やインドネシアの協力工場で生産するオープンエンド紡績糸使いの丸編み地製品(Tシャツ、トレーナーなど)の販売が日本向けを中心に増えていること。オープンエンド糸は、関連会社のダイワボウスピンテック(松江市)や、中国、インドネシア、そして米国の協力工場で生産している。

 インドネシアの協力工場を活用して生産するドレスシャツの販売も、日本向けが堅調に推移する。プリマテキスコ・インドネシアで紡織、東海テクスプリント・インドネシアで染色加工、ダイワボウガーメント・インドネシアで縫製と、インドネシアの関連会社で一貫生産する米国向けインナーも顧客数が増加するなど堅調。生地販売も、衣料向けが苦戦しているが、寝装・リビング用途は健闘している。

 微増収効果に加え、インドネシアの関連会社、ダヤニガーメント・インドネシアを閉鎖し、同社で行っていた縫製を、同じく関連会社のダイワボウガーメント・インドネシアに移管した効果などもあり、営業段階での増益を見込んでいる。

 ただ、下半期については衣料製品市場の一段の悪化の可能性があるため、独自繊維の開発を加速し、それをてこに新たな商流の構築を進める。独自繊維の一つとして期待しているのは、関連会社である王子ファイバー(東京都中央区)が生産する紙糸。

 紙糸は、デニム、かばん、靴下などさまざまな用途で採用されている。イタリアの靴メーカーにも採用された。布団やジャケットの中わたとして使用される羽毛の洗浄回数を3、4割削減することを可能にする洗浄剤も開発した。現在、日本、中国、台湾、ベトナム、そして米国へ提案しており、下半期からの出荷開始を目指している。加えて、機能性マスターバッチ(チップ状の練り込み用機能剤)製造技術「マジカルアシスト」を活用して作った合繊の展開にも力を入れる。