東レ BCFナイロン/新素材を積極展開/家庭用に柔らかと粒感
2017年08月16日 (水曜日)
東レ産業資材事業部は、カーペット用BCFナイロンの開発を進め、提案を強めている。家庭用途は、通常より細繊度のフィラメントを採用して柔らかさを高め、ペンシルポイント(カットパイルが鉛筆の先端のように一本ずつセットされた状態)に対応したBCFナイロンを投入する。柔らかさと粒感が特徴で後染め糸。断面形状も工夫して風合いを高める。試作を進めており、来年の発売を予定する。
オフィスや商業施設が主販路のタイル用途は酸性染料に染まりにくく、杢調柄を表現しやすいペール糸も投入し、拡販を図る。
自動車用途は同部のBCFナイロン販売量の約10%を占め、そのうちの80%程度を原着糸が占める。中でも黒の原着糸の伸びが顕著という。タイル用でも微増で推移する。原着糸は米国からの調達とともに、岡崎工場(愛知県岡崎市)で生産。色数を増やす方向にあり、対応力を高める。
カーペット糸はヒートセットなど加工工程のキャパシティーにタイト感があるが、グループの東レハイブリッドコード(愛知県西尾市)で設備を増強。トーレ・ハイブリッドコード〈タイランド〉でも、国内向けカーペット糸の撚糸・セット加工に一部対応する予定。「東レグループとして体制を整えた」(萩原俊彦産業資材事業部長)
同部のBCFナイロンは、18年3月期に前期比10%増収を計画する。17年4~6月は主力のタイル用途が盛り上がりに欠け前年並みで推移した。下半期の需要拡大を見込む。