副資材メーカー/RFIDタグ生産急拡大/人員の育成 急務に
2017年08月21日 (月曜日)
RFID用ICタグの生産が引き続き拡大している。SPAのほか有力ブランドがRFIDによる商品管理を本格的に導入し始め、副資材メーカーのタグ生産枚数は今期見通しが倍増以上の勢いを見せる。一方で、ノウハウの蓄積が追い付かず、人材育成が急務となるなどの課題も出ている。(石川 亮)
国内トップのナクシスは、今期(2017年12月期)のICタグ生産枚数が前期比で「少なく見積もっても倍増以上」(RFID推進チームの前田考一マネージャー)になる勢い。続く三景やテンタックも2~2・5倍への拡大を見込む。
有力SPA、百貨店アパレル向けの供給がけん引役。このほかの取り組み先も広がり、「プレゼンテーションの回数が去年よりはるかに増えている」(三景)、「RFIDの導入へかじを切って具体化している実感がある」(テンタック)といった手応えを語る。
ICチップを利用するRFIDは、バーコードに代わる商品管理システムで、製品下げ札などに個体情報を書き込んだICチップを加工し、電波を通じ非接触でそのデータをスキャンできる。複数のタグを一括して読み取れるため、棚卸や入出荷管理といった在庫管理で、店舗や物流倉庫での付帯業務にかかる時間を大幅に短縮するなどの効果が期待される。
技術概要は「既に広く知れ渡った」とは各社共通の認識。テンタックの瀬川哲哉取締役情報システム部長は「導入の第一波を経て、勢いのある企業に広がる第二波に差し掛かっている」と話す。積極的に活用するのは生産から販売まで垂直統合するSPA企業、店舗運営を重視し自前の物流センターを保有するセレクトショップなど、課題が明確で効果も見えやすい企業が多い。
ただ、各企業は「RFIDは“魔法の道具”ではない」と口をそろえる。足元の課題に対し、RFIDがどのような形で、どの程度の効果があるかを確実に見極めなければならない。導入促進へ事例紹介や相談窓口機能を担う日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)のRFID推進小委員会も「導入のアプローチが個別に違う」とするほか、「内容を聞いてRFIDではない別の手法を紹介する場合もある」(ナクシス)と言う。
同事業の営業活動には、多様なシステムベンダー、ハードウエアメーカーの製品と組み合わせたRFID環境全体の提案が必要という特有の事情がある。データ書き込み精度などの品質管理、独自開発加工機などの自社一貫対応、他商材とパッケージ提案する総合力の発揮、海外供給網とともに、コンサルティング機能の差別化も不可欠。
引き合いが急増して顧客から寄せられる課題が多岐に及び、ベンダーが多様化する現状に加え、「今後は川上でいかに有効活用できるかが検討課題」との認識をJAFICも示す。最適提案には広範な知見が必要となるが、その人材育成が追い付いていない状況に対し、営業人員を対象とした勉強会を活用した基礎知識の底上げとその後の育成、営業部署との連携を通じた段階的な育成に取り組んでいる。




