東洋紡/高耐熱フィルムを事業化/長瀬産業と合弁会社設立
2017年08月24日 (木曜日)
東洋紡は23日会見し、ポリマーフィルムとして世界最高水準の寸法安定性を持つ高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」を事業化すると発表した。
長瀬産業との合弁で生産・販売会社を来年4月に設立。売上高を早期に100億円規模にすることを狙う。合弁会社の資本金は34億円で、出資比率は東洋紡66・6%、長瀬産業33・4%。工場は、東洋紡の敦賀事業所(福井県敦賀市)内に建設する。操業開始は来年10月の予定。投資額は30億円。
一般的なポリイミドフィルムは主に電子回路材料の絶縁フィルムとして用いられている。それに比べゼノマックスは、耐熱性、寸法安定性に優れる。従来のポリイミドフィルムの用途への展開は狙わない。フラットパネルディスプレーに使用される薄膜トランジスタの基板材は主にガラス基板だが、これをゼノマックスに置き換えることなどを狙う。
東洋紡は2002年に米国の研究機関から新耐熱ポリイミド基本技術の独占実施権を得た。この技術と同社の耐熱ポリマー合成技術、フィルム製膜技術を組み合わせ、ゼノマックスを完成させた。