ダイワボウポリテック/来年春に増設分稼働/エアスルー用複合繊維

2017年09月22日 (金曜日)

 ダイワボウポリテックは播磨工場(兵庫県播磨町)で、紙おむつに使われるエアスルー不織布用の熱融着性複合繊維の生産能力を増強する。現在の年産能力は2万8千トン。8千トンを増設し、来年春の稼働を計画する。

 同繊維を、主に日本の衛生材料メーカーへ販売している。衛生材料メーカーの繊維需要は中国市場での売れ行きの影響を強く受ける。昨年はその売れ行きにブレーキがかかった。しかし、2017年4~9月期に入って回復し、同社の繊維販売量も増加している。今後も、「日本、中国、韓国、ASEANのプレミアム・ゾーンの紙おむつ市場への拡販を狙う」として、生産能力増を図る。

 同社は、インドネシアのエアスルー不織布製造子会社、ダイワボウ・ノンウーブン・インドネシア(DNI)へも複合繊維を供給してきた。しかし、DNIは今後、インドネシアの日系原綿メーカーとのアライアンスを深め、原綿の現地調達を増やす。このため、DNI向け繊維供給量は減るが、それでも増設が必要なほどに需要が拡大しているという。

〈一段のシェア拡大へ/スパンレース不織布〉

 ダイワボウポリテックは、おしりふき、フェースマスク、除菌シート、制汗シートなどに使用されるスパンレース不織布で、シェア拡大を狙う。

 同社は、スパンレース不織布分野に最後発で参入した。しかし、品質が安定していることが評価され、おしりふき市場では、数量ベースで約40%のトップシェアを確保しているという。

 フェースマスクと制汗シート向けも、自社生産している割繊タイプのマイクロファイバーなどを素材として活用し、拡販する。現在のシェアは、フェースマスク分野で30%、制汗シート分野で38%。

 スパンレース不織布最後発の同社の中でも最も遅く、7、8年前に提案を開始した除菌シート向けも伸びている。ターゲットを絞って開発する戦略が奏功している。