「AFF・東京2017」開幕/中国生産難しい局面に/互恵関係の再構築必要

2017年09月28日 (木曜日)

 「AFF・東京2017」(主催=AFF、日中経済貿易センター)が27日、東京・池袋のサンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で開幕した。特に婦人服を主力とする出展企業に聞くと、足元では生産面で難しい課題に直面しているようだ。(石川 亮、最終面に関連記事)

 製品OEM/ODMでの中国の存在感は、日本のアパレル輸入に占める比率(2017年1~7月累計)が金額で61・3%、数量で66・6%ということが示す。ASEAN地域やバングラデシュへの生産シフトで中国のシェアは徐々に下がっているとはいえ、対日OEM/ODMでは「存在感が改めて見直されている」と指摘する日系商社の担当者は多い。“懐の深さ”が理由の一つ。アパレルから服飾雑貨、各種素材、ホームテキスタイル、副資材まで同展に出展する企業の事業分野の幅広さが物語るが、日本の事業環境もその優位性を強くする。

 商社の製品OEM/ODM担当者の声をまとめると、17春夏の市況が厳しかった上に、今秋冬の商談状況も不透明感が続く。「事業環境の悪さから実需期まで引き付ける発注が昨年より強くなっている」「計画生産を抑える一方、期中発注枠を残して反応を見てから追加する」傾向が鮮明だ。

 そうなると、小ロットが可能で、地理的な近さからQR調達が望める中国生産にニーズが集まるが、ここに大きな課題がある。

 生産面での中国の環境は、こうした日本側の事情とは逆の状況。人手不足が深刻化して協力工場を分散せざるを得ず、「生産管理が難しくなっている」。期中対応が集中するとスペースを確保できなくなることも想像でき、実際に「中国内需対応の回復もあり、協力工場のスペースが埋まっている」とも指摘する。

 生産貿易一体型の出展企業、広州トップスピードファッションは東莞の問屋での生地手配、代理店を通じた付属品調達で最小ロット200枚、15日前後の短納期を実現し、ファッションビル向けを中心に19年間の対日ビジネス実績を持つ。17秋冬受注は前年同期比で約10%増となるが、4年前に比べて従業員が半減した100人規模の自社工場では対応しきれず、協力工場を増やしている。人件費・生地調達コスト増の一方で工賃は変わらず、「コストを合わすのが年々、厳しくなっている」。

 婦人横編みが主力の大連維真進出口も今秋冬向け受注が2割増となる。小ロット短納期への強い要望を肌で感じる一方で、環境規制強化から糸染めに時間がかかり、1週間程度だった定番糸の調達に2~3週間かかるなど納期対応の苦労を口にする。受注増ほどの収益向上にも至らず、「難しい時期だが顧客と協力して乗り越える」と語る。

 出展企業429社のうち、半分以上の259社が10年以上の対日ビジネス実績を持ち、日本国内に事務所などの拠点を持つ企業もある。日系商社各社は「小ロットに対応できる工場としっかり関係を深めておく必要がある」「品質管理チームが工場に張り付いている」といった対策の重要性を強調する。そのためには、相互に利益を享受できる関係を基盤として固めておくことが改めて必要だ。