東レ/油汚れの侵入も防ぐ/防護服「リブモア3500」開発
2017年10月18日 (水曜日)
東レはこのほど高通気タイプ防護服「リブモア3000シリーズ」に耐油性能を付与した「リブモア3500シリーズ」を開発した。特殊な耐油加工によって通気性を保ったままで防護服内に油汚れが侵入するのを防ぐ。鉄鋼や自動車関連など油汚れが多い作業現場に向けて提案を進める。
東レは今年6月に使い切り型防護服、リブモア3000シリーズを発表した。ポリプロピレン(PP)極細繊維の不織布をエレクトレット(電石)化した「トレミクロン」をPPスパンボンドで挟み込む3層構造素材を使うことで個体粉塵を吸着して衣服内への侵入を防ぎながら、高い通気度を実現している。
リブモア3000シリーズは発売以来、着用時の蒸れ感が軽減されるなど快適性の面で高い評価を得ている。一方、機械油など油を使用する作業現場のユーザーから油汚れが浸透しにくく、防護服内の衣服に油汚れが付かない性能が求められていることが明らかになった。
こうしたニーズに応えるために新たに開発したのがリブモア3500シリーズ。特殊な素材設計と加工によって油汚れが防護服内に侵入するのを防ぐ。
防護服生地の下に濾紙(ろし)を置き、油を滴下して10分後に濾紙の色を確認する実験も行った。未加工品は生地を浸透した油が濾紙に付くのに対して、リブモア3500の生地は油を侵入させず、濾紙に油が付かないという結果を確認している。
早期の製品化に向けて鉄鋼や自動車関連のメンテナンス業務など油汚れが多い作業現場に向けて提案を進める。現在ドイツで開催中の国際労働安全機材・技術展「A+A2017」にも出展しており、海外販売も視野に入れる。26日から東西で開催する東レユニフォーム総合展でも披露する。
〈26日からユニフォーム総合展〉
東レは26日から東西でユニフォーム総合展を開催する。今回展は「ユニフォームエナジー・フォー・ネクステージ」をテーマに、特に夏の快適性に焦点を当てた機能素材を重点提案する。
各種洗濯対応素材やパーソナル・プロテクティブ・イクイップメント(個人防護服向け素材・製品)として「リブモア」の新商品「リブモア3500」なども披露する。学生服素材ではデジタルプリントの活用など新たな提案も紹介する。
大阪展は26、27日に東レ大阪本社(大阪市北区)、東京展は11月1、2日に東レ本社(東京都中央区)でそれぞれ開催する。