ダイワボウHD/繊維事業、営業益で過去最高へ/合繊・レーヨン立て直し

2017年11月08日 (水曜日)

 ダイワボウホールディングスは2018年3月期に繊維事業で、営業利益32億円を目指す。達成すれば過去最高益となる。売上高は690億円を見込む。

 17年度下半期(17年9~18年3月)に合繊・レーヨン事業を立て直す。生産性の改善によるコストダウンの推進、これまでより川下に近づいた“新たな商流”の構築に取り組むことで上半期(4~9月)の不振を晴らす。

 「コストアップなど上半期での課題を既に洗いだし、9月から対策を施しており、目標達成を目指す」(門前英樹取締役専務執行役員)。上半期は合繊部門が原燃料の高騰で、レーヨン部門が対米向け防炎素材の不振で業績が伸び悩んだ。防炎素材は上半期に市況が悪化していたが、下半期からは回復傾向にあるという。

 上半期に好調だった衣料製品部門は、取引先の好業績で下半期も順調に拡大が進む見通し。

 上半期はカジュアル製品が海外生産拠点を使った主要顧客向けの企画提案販売で好調だった。インナー製品は機能素材を使った春夏商品の受注が増えた。ブランド製品は子供向けを中心とした専門店の販路拡大により堅調に推移した。

 産業資材の樹脂加工分野は上半期に前期にあった除染関連の受注がなくなったため、伸び悩んだが、10月に放射性物質の中間貯蔵品関連で新たな受注を獲得しており、業績に寄与するという。

〈全段階で過去最高に/17年4~9月〉

 ダイワボウホールディングスの2017年4~9月連結決算は、売上高3128億円(前年同期比10・4%増)、営業利益53億円(17・4%増)、経常利益52億円(20・5%増)、純利益46億円(89・4%増)となった。いずれの段階でも過去最高の業績となった。

 ITインフラ流通事業は売上高2719億円(12・4%増)、営業利益35億円(43・9%増)とともに過去最高業績となり全体をけん引した。

 繊維事業は売上高342億円(1・1%減)、営業利益15億円(13・1%減)と減収減益。合繊部門は原燃料価格の高騰で利益が低迷、レーヨン部門は対米向け防炎素材が苦戦した。一方、衣料製品部門は好調だった。

 通期の業績予想は売上高6546億円(前期比6・0%増)、営業利益142億円(12・5%増)、経常利益140億円(11・4%増)、純利益95億円(27・2%増)、期末配当は10月1日に実施した株式併合を考慮し90円を見込む。